WOWOW連続ドラマW『フィクサー Season1』
イントロダクション
WOWOWの連続ドラマW『フィクサー Season1』は、政治の裏側で暗躍するフィクサーを主人公に、権力闘争や陰謀を描いた社会派サスペンスです。脚本は『白い巨塔』や『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』などで知られる井上由美子氏が手掛け、全3シーズンにわたる大型ドラマシリーズとして展開されています。物語は、政治家、フィクサー、ジャーナリストといった立場の異なるキャラクターたちが、それぞれの信念と野望を抱えながら繰り広げる緊迫感あふれるストーリーが中心です。権力の裏に潜む闇と、それを操る人々の駆け引きがリアルに描かれ、現代社会の矛盾や不条理にも鋭く切り込んでいます。
キャスト詳細
- 設楽拳一(フィクサー):唐沢寿明
政治の裏で暗躍し、権力者たちを巧みに操るフィクサー。冷静沈着でありながらも内に秘めた情熱を持ち、複雑な心理を巧みに表現しています。 - 中埜弘輝:藤木直人
総理秘書官として総理を支えるが、設楽拳一との出会いを機に、政治の闇に巻き込まれていく。 - 渡辺達哉:町田啓太
新聞記者として真実を追求し、設楽拳一の存在に迫る。 - 板倉晃司:小泉孝太郎
捜査一課の刑事で、設楽拳一の動向を追う。 - 本郷吾一:西田敏行
長年政界を牛耳る実力者で、設楽拳一と対立する。 - 沢村玲子:内田有紀 キャスターとして政治の闇を追求する。
各話あらすじ
第1話:出会いと陰謀
ある夜、総理大臣を乗せた車が事故に遭い、総理は意識不明に。死亡した運転手には飲酒運転の疑いが持たれ、新薬認可を巡る関係性もささやかれる。そんな中、対応に追われる総理秘書官・中埜弘輝(藤木直人)に近づくひとりの男がいた――「フィクサー」とも呼ばれる男、設楽拳一(唐沢寿明)。一方、新聞記者の渡辺達哉(町田啓太)に何者かからタレコミが……。これは本当に事故なのか?仕組まれた事件なのか?
第2話:秘書の決断
意識が戻らない殿村総理は辞任に追い込まれ、総裁選へ。副総理の須崎一郎(小林薫)と長年政界を牛耳る本郷吾一(西田敏行)は、恣意的に操れる人物を後継総理にしようと企てる。一方、拳一は中埜に接触を続け、殿村が事故当日に会おうとした疑惑の密約の相手の連絡先を聞き出し……。真相を探る達哉と捜査一課の板倉晃司(小泉孝太郎)は、一連の出来事の裏に拳一の存在を疑う。そんな中、事件の鍵を握る人物の身に思わぬ事態が……。
第3話:真実の追求
真夜中に燃え上がった佐久田の別荘。佐久田本人は行方不明で、自らが放火犯だと供述する拳一を板倉が取り調べるが……。その裏で、副総理の須崎に呼び出された中埜は、拳一が入手しているという密約の音声データをかすめ取るよう命じられる。一方、キャスターの玲子(内田有紀)は“ある過去”を秘めながら、いまだ意識不明の殿村のもとを訪ねるとそこには……。そんな中、達哉は自らにタレコミを行なう謎の人物と接触を図る。
第4話:裏切りの影
殿村前総理が奇跡的に意識を回復し、揺れ動く永田町。疑惑の音声データの在りかを案ずる須崎は、中埜に政治家への道を餌に本郷の屋敷で究極の選択を迫る。一方、拳一はさらなる野望を胸に動き出す……。
第5話:最終決戦
権力を巡る最後の戦いが繰り広げられます。フィクサーと本郷の直接対決の結末は?真実を追求する達哉の運命は?それぞれのキャラクターの選択が未来を左右します。
評価・見どころ
私の感想
『フィクサー』は、単なる政治ドラマではなく、人間ドラマとしても非常に見ごたえがありました。唐沢寿明さんの冷徹なフィクサー像には一種の魅力があり、彼の内に秘めた葛藤に思わず感情移入してしまいます。特に第3話で新聞記者の渡辺達哉が真実を追い求める姿には胸を打たれるものがあり、彼の覚悟と行動に深く共感しました。
また、権力を巡る争いの中で描かれる友情や裏切りの要素も、ストーリーをより面白くしています。特に中埜弘輝が政治の闇に巻き込まれながらも自身の信念を貫こうとする姿や、板倉刑事がフィクサーの正体を追い求める過程で直面する苦悩が見事に描かれており、彼らの選択には強く引き込まれました。
このドラマは、私たちの日常からは遠い世界を描きながらも、登場人物たちの葛藤や選択が非常に人間的で、現実の社会とも重なる部分が多くあります。権力の持つ力とその危うさ、そしてその裏にある人間の弱さを見事に描き出しており、観終わった後も深く考えさせられる作品でした。
ブログランキング
ポチッと応援して頂けたら嬉しいです
コメント