映画『ブラックアダム』レビュー
イントロダクション
2022年に公開された『ブラックアダム』は、DCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)において待望のアンチヒーローのデビュー作です。監督はジャウム・コレット=セラが務め、主人公テス・アダム/ブラックアダムをドウェイン・ジョンソンが演じます。この映画は、神のような力を持つ男が現代に蘇り、その力を使って正義と復讐の狭間で葛藤する姿を描いています。ジョンソンはこの役を「自分が演じるために生まれた」と述べており、彼のカリスマ性が存分に発揮された作品です。
キャスト情報
- ドウェイン・ジョンソン:テス・アダム/ブラックアダム役。古代エジプトの神々から力を授けられた元奴隷。
- オルディス・ホッジ:カーター・ホール/ホークマン役。ジャスティス・ソサエティのリーダーで、Nthメタルを使った武器を操る。
- ピアース・ブロスナン:ドクター・フェイト役。未来を見る力を持つ不死の魔術師。
- ノア・センティネオ:アトム・スマッシャー役。体の大きさと力を自在に操る若きヒーロー。
- サラ・シャヒ:アドリアナ・トマズ役。カンダックでレジスタンスとして活動する大学教授。
- マーワン・ケンザリ:イシュマエル/サバック役。カンダックの悪党組織のリーダーであり、物語の敵役。
あらすじ
物語は、中東の架空の国カンダックを舞台にしています。考古学者アドリアナ・トマズが、古代の王冠「サバックの王冠」を発見し、その王冠の力で眠っていたテス・アダムが目覚めます。アダムは解き放たれると同時に、彼の神のような力を使って敵を次々に殲滅しますが、その暴力的な行動によりアメリカ政府から危険視されます。そこで、ジャスティス・ソサエティが派遣され、アダムを阻止しようとします。
一方で、物語の背後にはアダムの悲しい過去がありました。彼の息子が彼に力を授けるために命を犠牲にし、その怒りと悲しみによってアダムは破壊の道を歩むこととなります。物語はアダムが真のヒーローとなるのか、それとも破壊者のままでいるのかという選択を迫られます。
評価
『ブラックアダム』はアクションシーンと内面の葛藤が見事に交差する作品です。ジョンソンが演じるブラックアダムは、ダークで謎めいたヒーローとして、従来のスーパーヒーロー像を覆す存在感を放っています。特に、ピアース・ブロスナンが演じるドクター・フェイトとの対比が印象的で、彼の知恵とアダムの力が絶妙に絡み合っています。ビジュアル的には素晴らしく、アクションファンにとっては見どころ満載です。
しかしながら、ストーリーが予想通りであるという批判もあります。特に、CGIに頼った戦闘シーンが多く、一部では物語の深みが欠けているという声もあります。それでも、DCファンやジョンソンのファンにとっては、十分に楽しめるエンターテインメント作品であることは間違いありません。
私の感想
個人的には、『ブラックアダム』はスーパーヒーロー映画の中でも新鮮な作品だと感じました。ブラックアダムは正義と悪の間に立ち、彼の行動には一貫した暴力性があり、これまでのヒーローとは一線を画しています。また、カンダックの人々の解放と帝国主義への抵抗というテーマも共感できる部分がありました。映画のテンポは速く、ユーモアとアクションがうまく混ざり合っていましたが、アダムの内面的な葛藤がもう少し深く描かれていたら、さらに感情移入できたかもしれません。全体としては、暗めのスーパーヒーロー映画を好む方にはぴったりの作品だと思います。
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