映画『フォール』レビュー:高所恐怖症の私が手汗びっしょりの極限サバイバル

目次

映画『フォール』レビュー:絶望と友情の狭間で


イントロダクション

映画『フォール』は、フリークライミングの中で起こる極限のサバイバルドラマです。監督スコット・マンが手掛けるこの映画は、高所での恐怖と友情の試練を描きます。主人公ベッキーの心の旅路を中心に展開されるストーリーは、視聴者に緊張感と感動を提供します。


ネタバレあらすじ

ベッキー(演:グレース・フルトン)は、フリークライミングの最中に夫・ダン(演:メイソン・グッドイング)を悲劇的な落下事故で失って以来、深い悲しみと罪悪感に苛まれています。彼女は自分の責任を感じ、人生の目的を見失ってしまいます。1年が経ち、ベッキーの精神状態はますます悪化していくばかりです。

そんな中、親友のハンター(演:バージニア・ガードナー)がベッキーを立ち直らせるために新たな冒険を提案します。ハンターはエクストリームスポーツ愛好家であり、ベッキーが再びクライミングに挑むことで過去を乗り越えられると信じているのです。ハンターは、今は使われていない高さ600メートルの老朽化したテレビ塔に登る計画を立てます。

二人は塔に到着し、崩れかけた梯子を慎重に登り続けます。数々の困難を乗り越え、頂上に到達した二人は、そこからの素晴らしい景色を楽しみます。しかし、ハンターが塔の構造の不安定さに気付いた時には既に遅く、登った梯子が崩れ落ちてしまいます。二人は頂上に取り残され、降りる手段を失ってしまいます。

塔の上でのサバイバルが始まります。彼女たちは限られた水と食料を分け合いながら、助けを求める方法を模索します。携帯電話の電波は届かず、ドローンを使って助けを呼ぼうとしますが、風に流されて失敗します。ベッキーは、ハンターが持っていたセルフィースティックを改造し、遠くに信号を送ろうと試みます。

極限状態の中、二人の関係は試されます。ハンターが実はダンと不倫関係にあったことを告白し、ベッキーはショックを受けます。しかし、ベッキーはハンターを許し、二人の友情は深まります。ベッキーは夫の死を受け入れ、前に進む決意を固めます。

最終的に、ベッキーはハンターを犠牲にして生き延びる道を選びます。ハンターが命を落とす中、ベッキーは塔の頂上から懸命に救助を求め続けます。最後には奇跡的に救助隊が到着し、ベッキーは救出されます。塔から降りるベッキーは、夫の死と向き合いながらも、新たな人生の一歩を踏み出す決意を胸に秘めています。


キャスト情報

  • ベッキー:グレース・フルトン
  • ハンター:バージニア・ガードナー
  • ダン:メイソン・グッドイング
  • ジェームズ:ジェフリー・ディーン・モーガン(ベッキーの父)

評価

『フォール』はその緊張感溢れるシーンとリアルな感情描写で高評価を得ています。特に高所での撮影は圧巻で、観客に恐怖と驚きを与えます。主演のグレース・フルトンとバージニア・ガードナーの演技は素晴らしく、彼女たちの絆と葛藤を見事に表現しています。監督スコット・マンの手腕も見逃せません。


私の感想

『フォール』を観ている間、高所恐怖症の私の手足は終始汗びっしょりでした。スクリーンの中でベッキーとハンターが600メートルの高さに取り残されるシーンでは、まるで自分がその場にいるような錯覚で、もう、心臓がバクバクの緊張感です。

どのように撮影したのか、とにかく凄かったです。

特に、二人が足場を失い、限られた水と食料で生き延びるために奮闘する様子は、本当に手に汗握るものでした。彼女たちの絶望的な状況に対する冷静さと決断力には感心させられましたが、同時に「絶対にこんな絶望的な状況になりたくない!」と強く思います。

そして映画を観終えると、日常の平和な生活に感謝する気持ちが湧いてきました。毎日、安全に過ごせていることのありがたさを改めて実感します。クライミングや冒険はスリル満点で魅力的かもしれませんが、やっぱり私は地に足をつけて生きる方が性に合っているようです。

映画『フォール』は、そんな平和な日常の幸せを再認識させてくれる作品でもありました。ベッキーとハンターの勇気と絆には胸を打たれつつ、自分の足元にある幸せに感謝する良い機会となりました。


結論

『フォール』は、サバイバルドラマとしてだけでなく、心の成長と友情の物語としても非常に優れた作品です。高所恐怖症の方には少々過酷かもしれませんが、それを超える感動と緊張感が待っています。ぜひ一度観て、ベッキーとハンターの勇気と絆を体験してみてください。

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