『特別捜査本部Q』Netflixドラマレビュー|あらすじ・キャスト・考察・感想まとめ

出典:Netflix『特別捜査部Q』
目次

Netflix『特別捜査部Q』レビュー

Netflixオリジナルドラマ『特別捜査部Q』は、2025年5月29日に配信開始された英国発の犯罪サスペンスシリーズです。デンマークのベストセラー小説「特捜部Q」シリーズ(著:ユッシ・エーズラ・オールスン)を原作に、舞台をスコットランド・エディンバラに移し、未解決事件に挑む異色の捜査チームの活躍を描いています。


🎬 作品情報

  • タイトル:特別捜査部Q(原題:Department Q)
  • 配信開始日:2025年5月29日
  • 配信元:Netflix(全9話)
  • ジャンル:犯罪捜査、サスペンス、ヒューマンドラマ
  • 原作:ユッシ・エーズラ・オールスン「特捜部Q」シリーズ
  • クリエイター:スコット・フランク、チャンドニ・ラカーニ
  • 舞台:スコットランド・エディンバラ

👥 キャスト紹介

  • カール・マーク(演:マシュー・グード)
    無骨で皮肉屋な警部。過去の捜査ミスで心に傷を抱えながらも、未解決事件専門の新部署「特別捜査本部Q」のリーダーに抜擢される。表面は冷徹だが、正義感の強い熱い一面を持つ。
  • アクラム・サリム(演:アレクセイ・メンヴェロフ)
    シリア出身の元警官。無口で冷静沈着、体術にも優れた実力者。自身の過去を語らないミステリアスな存在だが、捜査では抜群の嗅覚を発揮する。
  • ローズ・ディクソン(演:リア・バーン)
    情熱的で粘り強い女性警官。過去の心の傷を乗り越え、再び現場に復帰。繊細さと強さを併せ持ち、Qチームに柔らかさとバランスをもたらす存在。
  • ジェームズ・ハーディ(演:ジェイミー・シーヴェス)
    カールの旧友で元相棒。任務中の事件で下半身不随になったが、現在もチームに助言や情報提供などで関わる。過去の絆が今も生きている頼れる存在。
  • メリット・リンガード(演:キャスリーン・モナハン)
    若き才女の検事。正義感が強く、多くの敵も持っていたが、4年前に突如失踪。彼女の失踪事件が「Qチーム」再始動のきっかけとなり、ストーリーの中心にいる“鍵を握る存在”。

🕵️‍♂️ あらすじ

冷たい風が吹きすさぶエディンバラの街
かつては有能な刑事だったカール・マークは、任務中に起きたある事件をきっかけに心を閉ざしていた。相棒を守れなかった後悔、正義の名の下で犯した過ち、そして自分自身への怒り――彼は“過去”に縛られていた。

そんな彼に与えられた新たなポジションは、「特別捜査本部Q」。
――誰もが目を逸らし、忘れ去ろうとした未解決事件だけを扱う部署
そこに配属されたのは、シリア出身の寡黙な元警官アクラム・サリムと、かつて心を病んだ元現場警官ローズ・ディクソン
一癖も二癖もあるメンバーたち。だが彼らには、“真実に手を伸ばす理由”がそれぞれあった。

最初の捜査対象は――4年前に忽然と姿を消した女性検事、メリット・リンガード
彼女は正義を信じ、警察や政財界の腐敗に真っ向から挑んでいた。
だが、ある夜を境に消息を絶ち、残されたのは不穏なメモと、封じられた捜査記録。
表向きは「失踪」、だがQチームが掘り進めていくうちに、背筋が凍るような事実が浮かび上がる。

消された証拠、歪められた調書、口を閉ざす関係者たち――。
それは偶然ではなく、組織ぐるみの隠蔽。
メリットは、“見てはいけないもの”を見てしまったのかもしれない

カールたちは次第に追い詰められながらも、必死に糸を手繰っていく。
そしてたどり着いたのは、街のはずれにひっそりと建つ、閉鎖された福祉施設。
その地下には、彼女が残した決定的な音声ファイルがあった――。

「誰かが、私を殺そうとしている。でも私は、止まらない」

その声が、Qチームをさらに真相の深淵へと導いていく。

一方で、カール自身もまた、自分が過去に背を向けてきたものと向き合う時を迎える。
相棒との和解、仲間への信頼、そして再び“正義”という言葉を信じる覚悟。

全てのピースが揃った時、事件は静かに、だが重く幕を閉じる。

しかし物語は終わらない。
ラスト、カールの机に届く新たな未解決事件ファイル
それは、Qチームが次に挑むべき、さらなる“闇”の予兆だった。

『特別捜査本部Q』おすすめポイント考察


“未解決事件”が語るのは、過去の「記憶」そのもの

このドラマが扱うのは単なる犯罪ではありません。
未解決事件=“社会が見ないふりをしてきた記憶”。
つまりQチームが事件を追うことは、そのまま**「忘れられた人々の痛みを掘り起こす行為」**になっています。

捜査が進むたびに、犠牲者の背景や、その周囲の人間関係、社会の矛盾が少しずつ浮かび上がる構成は、物語にリアルな温度を与えています。


「問題児チーム」の再生が胸を打つ

カール、アクラム、ローズ。
この3人に共通するのは、“心に傷を負っていること”。
彼らは自分を信用できず、他人とも距離を置いてきた存在です。

けれど、捜査の中で少しずつ信頼を育み、互いにとっての居場所になっていく過程が本当に丁寧なんです。

心を閉ざしていた者たちが、他人の人生に手を差し伸べることで、むしろ自分が救われていく。この描写は地味ですが、圧倒的に力強い。


政治や警察の“闇”を描きながら、希望を捨てない脚本力

メリット・リンガードの失踪事件を追う中で浮かび上がるのは、警察や政府の腐敗。
正義を掲げた者が消されてしまう現実に、物語は決して楽観的ではありません。

ですが、本作は絶望を描くだけで終わらない。
どんなに腐ったシステムの中にも、“変わろうとする意思”が存在することを静かに示します。

「真実は時に闇に飲み込まれる。でも、それでも向き合おうとする人間がいる限り、正義は消えない」
その芯の強さが、作品全体を支えています。


映像・音楽・演出の“重厚な世界観”

霧の街エディンバラを舞台にした映像美、重低音が響くサウンドデザイン、そしてあえて“間”を取るセリフ回し。
すべてがこの作品の「静かな緊迫感」を演出しています。

派手なアクションやBGMでごまかさず、じわじわと視聴者の胸に迫ってくる構成は、まさに“大人のための上質サスペンス”。


“自分自身と向き合う物語”としての深さ

最も心に残るのは、結局事件ではなく人間の“変化”と“再生”の描写です。
カールは、過去の贖罪を果たすように。
アクラムは、戦火の記憶から自分を取り戻すように。
ローズは、再び“現場に立つ勇気”を思い出すように。

この物語は、「誰かの傷を救おうとすることが、自分自身の救済につながる」というテーマを貫いています。
だからこそ、見終わったあとに“自分の人生にもどこか重なる”ような余韻が残るのです。


🎯 総括:派手さよりも“深さ”を求めるあなたに

『特別捜査本部Q』は、サスペンスとしての完成度も高く、伏線と緊張感でしっかり楽しめる一方で、
「心の奥に静かに届いてくる」タイプの物語です。

派手な演出ではなく、人間の本質に触れたい。
ただの謎解きではなく、記憶と感情の再構築を見届けたい。

そんな人に、間違いなくおすすめです。

😊 私の感想

いや〜、これは見応えありました!

最初は「お堅い捜査モノかな?」って構えてたんですが、見ていくうちにどんどん引き込まれていきました。何がいいって、ただの事件解決ドラマじゃないところ。ちゃんと登場人物ひとりひとりの“過去”や“痛み”に向き合ってくれてるところ。

Qチームのメンツがまた濃いんです。
カールは不器用で眉間にシワ寄せがち、だけど内面はめちゃくちゃ優しいし、
アクラムは無口だけどキレキレの推理と体術で**忍者か?**ってくらいかっこいいし、
ローズは心に傷を抱えながらも懸命に向き合う姿がもう…応援せずにいられない。

そしてこの3人が、なんだかんだでチームとして成長していく過程が見ててめちゃくちゃ気持ちいいんですよ。
ツッコミどころもあって、たまに「それ言う!?」みたいなセリフも飛び出すけど、
根底に流れてるのはずっと“人の痛みにちゃんと寄り添う姿勢”。

あと、舞台のエディンバラがとにかく絵になる
画面から冷たい風が吹いてきそうな重厚な雰囲気がたまりません。
夜のシーンとか、BGMと相まって「この世界観ずっと浸かっていたい…」って思いました。

で、ラストなんですけどね。
しれっと次の事件っぽいファイルがポンッと置かれるんですよ。
「え、終わり?」「また闇深いのくるの?」「こっちはまだ気持ち整理中なんですけど!?」みたいな…笑
でもこの余韻がまたクセになる。
続編、来てくれって思いました。

正直、サスペンスでここまで人間の再生とか信頼の積み重ねを丁寧に描いてくれるドラマってそうそうないです。
ただの推理ものじゃない、「心の事件簿」って感じ。

「静かに熱い」
そんな言葉がぴったりな、ちょっと大人向けの極上ドラマでした。

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