映画『藁の楯』レビュー：10億円の懸賞金がもたらす絶望と希望の護送劇

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2024年6月21日2024年10月9日

映画『藁の楯』ブログレビュー

イントロダクション

映画『藁の楯』は、三池崇史監督が木内一裕の同名小説を映画化したアクションサスペンスの大作です。10億円の懸賞金がかけられた凶悪犯を護送するSPたちの姿を描き、緊張感あふれる演出が魅力的な作品です。主演には大沢たかおと松嶋菜々子が警察官を、藤原竜也が凶悪犯を演じています。本記事では、映画のネタバレあらすじ、キャスト情報、レビュー、そして個人的な感想を詳しくご紹介します。

ネタバレあらすじ

政財界を牛耳る大物、蜷川（山崎努）の孫娘が残虐に殺害され、容疑者として指名されたのは凶悪犯・清丸（藤原竜也）でした。事件の3か月後、蜷川は新聞に全面広告を出し、清丸の首に10億円の懸賞金をかけます。この途方もない金額は瞬く間に全国に知れ渡り、日本中が色めき立ちます。恐怖を感じた清丸は、命を守るために自ら警察に自首します。

警視庁警備部の銘苅（大沢たかお）と白岩（松嶋菜々子）は、清丸を福岡から東京まで護送する任務を受けます。二人の任務は清丸を無事に東京まで連れて行くことですが、10億円の懸賞金を目当てにする無数の刺客が彼らの行く手を阻みます。

護送の旅は、まず列車で始まります。しかし、列車内でも清丸を狙う者たちが現れ、一行は銘苅と白岩の機転でなんとか窮地を脱します。次に、彼らは車での移動を試みますが、道路でも追っ手が次々と現れ、激しいカーチェイスが繰り広げられます。この過程で、警察内部ですら、懸賞金に目がくらんだ者が現れ、清丸を手に入れようとする者たちとの戦いが繰り広げられます。

護送の途中、銘苅と白岩は、清丸の極悪非道な行為を知ることになります。清丸は孫娘を殺しただけでなく、他にも多数の凶悪犯罪を犯しており、その狂気と無慈悲さが明らかになります。銘苅と白岩は、警察官としての使命と、人間としての感情との間で葛藤しながらも、清丸を無事に護送するために全力を尽くします。

終盤、清丸を巡る戦いはさらに激化し、銘苅と白岩は命がけの戦いを強いられます。彼らは自らの信念と職務を全うするため、最後の力を振り絞って清丸を守り抜きます。しかし、護送が無事に終わる直前、清丸は最後の最後まで反省の色を見せず、彼の冷酷さが浮き彫りになります。

物語の結末では、銘苅と白岩の選択とその後の影響が描かれ、視聴者に深い印象を残します。彼らがいかにして清丸を護送し、そしてその過程で何を犠牲にしたのかが鮮明に描かれています。

キャスト情報

役名	キャスト
銘苅	大沢たかお
白岩	松嶋菜々子
清丸	藤原竜也
蜷川	山崎努
矢部	永山絢斗
三木	岸谷五朗
大木	本田博太郎
石岡	石橋蓮司
山本	福士誠治
佐久間	伊武雅刀

レビューと分析

三池崇史監督の演出は、本作でもその緊張感と迫力を余すところなく発揮しています。護送のシーンでは、次々と襲いかかる刺客とのバトルや、警察内部の裏切りが描かれ、終始ハラハラドキドキの展開が続きます。特に、大沢たかおと松嶋菜々子の演技が素晴らしく、二人の警察官としての葛藤や決意がリアルに伝わってきます。

藤原竜也の演じる清丸も圧巻で、彼の狂気と恐怖を見事に表現しています。清丸の極悪非道な行動や、それに対する銘苅と白岩の反応が物語を一層引き立てています。

個人的な感想

まず、藤原竜也さんが演じる清丸が本当にクズ過ぎてびっくりです（笑）。ラストのラストまで、まったく反省しないどころか、むしろ開き直る姿には、もう憎たらしいを通り越して呆れました。でも、そんな清丸を見事に演じきった藤原竜也の演技力には脱帽です。

一方、大沢たかおさん演じる銘苅はとにかく「いい人すぎる」警察官。職務を全うする姿勢には感動しました。彼の真面目さと正義感が、映画の緊張感を一層引き立てていました。松嶋菜々子演じる白岩とのコンビネーションも抜群で、二人の絆が物語の中でしっかりと感じられました。

映画全体を通して、特に印象的だったのは、清丸のようなクズ過ぎる犯人を命がけで護送するという矛盾に満ちたシチュエーションです。観ている側からすれば、「こんな奴を守る必要があるのか？」と何度も思わされるほど。しかし、警察官としての職務を全うしようとする銘苅と白岩の姿勢には頭が下がります。彼らの葛藤や苦悩がリアルに伝わり、観客としても考えさせられる部分が多かったです。

全体的に、アクションも演技も文句なしで、ただのサスペンス映画と思って見始めたら大間違いの、エネルギッシュで感動的な映画でした。特に、銘苅と白岩がどのようにして清丸を護り抜くか、その結末には驚かされました。