Netflix『ブラック・ミラー シーズン7』レビュー
『ブラック・ミラー』シーズン7が2025年4月10日にNetflixで配信開始されました。本シーズンは全6話構成で、AI、仮想現実、人間の意識といったテーマを扱い、視聴者に新たな衝撃を与えています。注目すべきは、シーズン4の人気エピソード「USSカリスター」の続編が含まれている点です。
イントロダクション
『ブラック・ミラー』は、テクノロジーの進化がもたらす人間社会への影響を描いたアンソロジーシリーズです。シーズン7では、AIや仮想現実、意識のアップロードといった現代的なテーマに焦点を当て、視聴者に新たな視点を提供しています。
作品情報
- タイトル:ブラック・ミラー(Black Mirror)
- 配信開始日:2025年4月10日
- 配信プラットフォーム:Netflix
- エピソード数:全6話
- クリエイター:チャーリー・ブルッカー(Charlie Brooker)
第1話「普通の人々(Common People)」
キャスト紹介
- ラシダ・ジョーンズ:アマンダ役。脳腫瘍を患い、意識をクラウドにアップロードする女性。
- クリス・オダウド:マイク役。アマンダの夫で、彼女の意識を維持するために奮闘する。
- トレイシー・エリス・ロス:ゲイナー役。リバーマインド技術を紹介する人物。
あらすじ
教師のアマンダが脳腫瘍で倒れ、夫のマイクは彼女の意識をクラウドにアップロードする「リバーマインド」技術に頼る。しかし、その維持には高額なサブスクリプション費用が必要で、マイクは過激なライブ配信で資金を稼ごうとする。愛と経済的困窮が交錯する中、二人は究極の選択を迫られる。
第2話「ベット・ノワール(Bête Noire)」
キャスト紹介
- シエナ・ケリー:マリア役。チョコレート会社に勤める主人公。
- ロージー・マキューアン:ヴェリティ役。マリアの同僚で、謎めいた存在。
あらすじ
チョコレート会社に勤めるマリアは、試食会で再会した同僚ヴェリティに違和感を覚える。周囲の無関心とテクノロジーの影響が、マリアの疑念を増幅させ、現実と妄想の境界が曖昧になっていく。心理的サスペンスが展開されるエピソード。
第3話「ホテル・レヴェリー(Hotel Reverie)」
キャスト紹介
- イッサ・レイ:ブランディ役。AI技術「リドリーム」によって再現された映画の世界に入り込む女優。
- エマ・コリン:ドロシー役。1940年代の映画スターで、AIによって再現される。
- オークワフィナ:キミー役。AI技術を提供する企業の代表。
あらすじ
女優ブランディ・フライデーは、AI技術「リドリーム」によって再現された古い恋愛映画の世界に入り込む。彼女は映画の筋書き通りに行動しなければ現実に戻れない状況に直面する。AIと人間の感情が交錯する、切なくも美しい物語。
第4話「おもちゃの一種(Plaything)」
- ピーター・キャパルディ:キャメロン・ウォーカー役。1990年代のビデオゲームに関連した殺人事件の容疑者。
- ウィル・ポールター:ゲーム開発者として登場。
あらすじ
1990年代のビデオゲームに関連した殺人事件の容疑者キャメロン・ウォーカーは、進化する人工生命体を扱うゲームを開発していた。彼の過去とゲームの内容が絡み合い、現実と仮想の境界が崩れていく。ノスタルジックなゲーム文化と犯罪捜査が融合したストーリー。
第5話「ユーロジー(Eulogy)」
- ポール・ジアマッティ:フィリップ役。亡き恋人との思い出を追体験する男性。
あらすじ
フィリップは、亡き恋人との思い出が詰まった古い写真を通じて過去を追体験する。アナログな手法で記憶と向き合う彼の姿は、デジタル時代における人間の感情と記憶の価値を問いかける。静かで感傷的なエピソード。
第6話「宇宙船カリスター号:インフィニティの中へ(USS Callister: Into Infinity)」
- クリスティン・ミリオティ:ナネット役。前作から引き続き登場し、仮想宇宙でのサバイバルに挑む。
- ジミ・シンプソン:ウォルトン役。ナネットと共に仮想宇宙での試練に立ち向かう。
- ジェシー・プレモンス:ロバート・デイリーのデジタルクローン役。仮想宇宙で新たな脅威となる存在。
あらすじ
シーズン4の人気エピソード「宇宙船カリスター号」の続編。ナネットとクルーたちは、ロバート・デイリーのクローンが支配する仮想宇宙で生き延びるために奮闘する。30億人のプレイヤーが参加する無限の仮想世界でのサバイバルが描かれる。
🌙私の感想
『ブラック・ミラー シーズン7』は、久しぶりに“未来への不安”を真正面から突きつけられたような感覚になりました。毎話ごとにテーマもトーンも全く異なるのに、共通して心の奥がゾワッとする。そんな、ある意味“安心して観られない”不思議な魅力が詰まっています。
特に印象に残ったのは、第1話「普通の人々」。
クラウドにアップロードされた妻の意識と、その維持費のために過激なライブ配信を続ける夫…。なんだか他人事に思えなくて、ちょっと胸が痛くなりました。テクノロジーが進化しても、結局は“人の愛”とか“生活の現実”が追いついてない感じがリアルで、しんみりしました。
**「ホテル・レヴェリー」**も美しかったですね。AIで再現された恋愛映画の中に閉じ込められた主人公が、物語通りに生きることを強いられるなんて、ロマンチックなのにどこか不気味で、観終わったあともしばらく余韻が残りました。
そして、ファンとしてはたまらなかったのが第6話「宇宙船カリスター号:インフィニティの中へ」。まさか前作の続編が来るとは…!前作の登場人物たちがあれからどうなったのかを観られて、懐かしさとワクワクで胸がいっぱいになりました。しかも今回は“無限の仮想宇宙”が舞台。ゲームとリアルの境界がさらに曖昧になっていて、映像もスケールもまさに“劇場級”でした。
全体を通して思ったのは、
「ブラック・ミラー」は、未来の話じゃなく、“もうすぐそこ”の話なんだなということ。
AI、記憶、仮想世界、クラウド上の意識…どれもSFっぽいのに、「もしかしたら明日、自分の身に起こるかも」と思えるくらいのリアリティがあるから怖い。
でもその一方で、人間の感情や倫理観の“美しさ”にもちゃんとスポットが当たっていて。
単にテクノロジーを批判してるわけじゃなく、「どう付き合っていくか?」というメッセージも込められている気がしました。
正直、観ていてしんどい話もあったけど、
「人間って、やっぱり面白い」
って、最終的にはそう思わせてくれるのが『ブラック・ミラー』の魅力だと、改めて感じました。
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