実話を映画化『35年目のラブレター』ネタバレあり感想|鶴瓶×原田知世が演じる夫婦の絆とは?

目次

映画『35年目のラブレター』レビュー

イントロダクション 🎬

過酷な幼少期を過ごし文字が読めず書けなかった65歳の西畑保が、自分を長年支えてくれた最愛の妻・皎子への感謝を込めて、自らラブレターを書くため夜間中学に通い始める──。これは、ある実在の夫婦が歩んだ心温まる実話。定年を機に文字の世界へ飛び込み、一字一字を紡ぎながら綴られる“ありがとうの物語”を、塚本連平監督がユーモアと涙で描きます。


作品情報

  • 公開:2025年3月7日(金)全国公開、上映時間は約119分
  • 監督・脚本:塚本連平(『今日も嫌がらせ弁当』など)
  • 主題歌:秦基博「ずっと作りかけのラブソング」
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、実話ベースのラブストーリー
  • 配給:東映

キャスト紹介

役名キャスト紹介・コメント
西畑 保(現在)笑福亭鶴瓶主人公。字が読めないという秘密を抱えながらも、妻への愛を胸に夜間中学に通う決意をする。穏やかで人情味あふれる演技が心に響く。
西畑 皎子(現在)原田知世保の妻。長年夫を支え続けた優しさと強さを併せ持つ存在。知世さんの透明感と包容力ある演技が光る。
西畑 保(若き日)重岡大毅(WEST.)若き日の保を演じる。純朴でまっすぐな青年役がハマり役。無垢さと誠実さを感じさせる好演が光る。
西畑 皎子(若き日)上白石萌音若かりし皎子を演じる。相手を包み込むような温かさと芯の強さを併せ持つ演技で、物語の土台を支える。
間宮(夜間中学の先生)安田顕保を見守る熱血教師。優しく、時に厳しく、年齢関係なく寄り添う存在として印象的。
西畑の長女・良子徳永えり両親を想いながらも複雑な感情を抱く娘役。家庭の中の“子ども目線”を丁寧に演じている。
保の夜間中学クラスメイトぎぃ子、辻本祐樹、本多力、くわばたりえほか個性豊かで心温まるクラスメイトたち。物語にユーモアと多様性を添える名脇役。
保の職場仲間・親族江口のりこ、笹野高史ほか生活を取り巻く人々として登場し、主人公の背景に深みを与える。ベテラン俳優陣の存在感も注目。

あらすじ(ネタバレあり

定年を迎えた65歳の西畑保(にしはた・たもつ)は、妻・皎子(きょうこ)と静かな老後を送っていた。一見、穏やかな日常。しかし、保にはある“秘密”があった。──それは、文字が読めず、書けないということ。

貧しい家庭に生まれ、学校に行くことなく育った保。大人になってからも、人にバレないよう仕事も家庭も全力でこなし続けてきた。そんな彼を何十年も支え続けたのが、妻・皎子だ。

若き日の保は、皎子との出会いにより人生が一変する。「あんたが字が読めへんの、知ってるよ。でもええよ。うちはあんたの代わりに字を書く」と笑って言ってくれた皎子の手で、ずっと生活を支えられてきた。保にとって、皎子は“自分の手”そのものだった。

──しかし、ある日、保は心に決める。
「今度は俺が、自分の手で、想いを伝えたい」
そう思い立ち、夜間中学への通学を決意する。

保が通い始めた教室には、年齢も国籍もバラバラな仲間たちがいた。少年のような瞳で文字を追い、書くことに夢中になる保。そんな彼を取り巻く人々も、さまざまな事情を抱えながらも“学び直し”に向き合っていた。

やがて、保は一文字ずつ「ありがとう」の気持ちを綴るようになる。すべては、皎子に自分の言葉でラブレターを書くため。そして迎えた結婚35年目の記念日。
しかしその直前、皎子が病に倒れてしまう──。

時間との闘いの中、保は懸命に文字を覚え、筆を持つ。
「俺は、あんたにちゃんとありがとうを言いたいんや」
彼が書き上げたラブレターに込められたのは、35年分の愛と、後悔と、祈りだった──。


見どころポイント:

  • 学び直しを通して自信と尊厳を取り戻していく主人公の成長
  • 支え合って生きてきた夫婦の姿が静かに胸を打つ
  • 若き日の保と皎子の純愛が、現在とリンクしながら涙を誘う
  • 夜間中学の生徒たちとの交流が、作品に明るさと人間味を添える

この映画は、決して派手な展開はありません。けれども、一字一字を覚えていく主人公の姿がこんなにも感動的なのは、“愛を伝えることの尊さ”がそこにあるから
静かに、じんわりと心を打つ。そんな“本物のラブレター”が、あなたの心にも届くかもしれません。

私の感想

『35年目のラブレター』は、派手な感動や大きな事件があるわけじゃないのに、気づいたら心の中がじんわりと熱くなってる、そんな作品でした。

主人公・保さんは、65歳にして初めて“字を覚えよう”と決意します。その理由が、「妻にラブレターを書きたい」って……いやいや、どんだけ純粋で奥さん想いなん!って思ったけど、その裏には、字が読めなかったという“人生をかけた秘密”があって。

子どもの頃に学校に行けなかった。大人になっても字が書けず、でもそれを隠して家族を守ってきた。その姿にまずグッときました。
でももっと驚いたのは、そんな保さんを知ってもなお、支え続けてきた皎子さんの存在。彼女の「私があんたの手になる」というセリフは、本当…泣けました。

だけど、そんなおだやかな二人の人生にも、時間は容赦なく過ぎていく。病気、老い、後悔。そして“ありがとう”を伝えるタイミング。
この映画は、その「今伝えることの大切さ」をそっと教えてくれるんです。

そして最後、保さんが一生懸命綴るラブレター。たどたどしい文字。でもそこに詰まってるのは、35年分の「ありがとう」や「ごめんね」や「愛してる」。
その想いが、静かに、でも確かに伝わってくるんですよね。

また、主題歌の秦基博さんによる「ずっと作りかけのラブソング」も、本作のテーマと非常にマッチしており、作品の余韻をさらに深くしてくれました。


総括として

『35年目のラブレター』は、「言葉にする勇気」と「想いを伝える大切さ」を改めて気づかせてくれる作品です。
人生の節目で立ち止まり、誰かへの“ありがとう”や“ごめんね”を素直に伝える機会を持ちたくなる、そんな映画でした。

泣いたあと、なんか笑えて、でもまたちょっと泣ける。
そして、ふと「久しぶりに手紙でも書いてみようかな」と思わせてくれる。
そんな、優しくて強い、人生のラブレターみたいな映画でした。

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