映画『花まんま』あらすじ&感想|大阪下町の兄妹愛と前世の家族がつなぐ感動の結末

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映画『花まんま』レビュー

イントロダクション

『花まんま』は、2005年に第133回直木賞を受賞した朱川湊人さんによる短編小説『花まんま』を原作に、2025年4月25日に公開された日本映画です。大阪の下町を舞台に、兄妹が抱える切なさや奇妙な秘密を通じて、人の悲しみと温かさを静かに描いたヒューマンドラマです 。監督は『そして、バトンは渡された』や『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』などで繊細に感情を紡いできた前田哲監督 。


作品情報

項目内容
公開日2025年4月25日
上映時間約118分
配給東映
原作朱川湊人『花まんま』(直木賞受賞短編集)
監督前田哲
脚本北敬太(須藤泰司の筆名)
映像美・音楽撮影:山本英夫/音楽:いけよしひろ/イメージソング:AI「my wish」

キャスト紹介

  • 加藤俊樹(兄):鈴木亮平(幼少期:田村塁希)
  • 加藤フミ子(妹):有村架純(幼少期:小野美音)
  • 中沢太郎(婚約者/動物行動学者):鈴鹿央士
  • 三好駒子(看板娘/幼なじみ):ファーストサマーウイカ
  • 三好貞夫(お好み焼き屋店主):オール阪神
  • 山田社長(勤務先の社長):オール巨人
  • 繁田家の面々:繁田喜代美(妹の前世)…南琴奈、父・仁…酒向芳、兄・宏一…六角精児、姉・房枝…キムラ緑子

あらすじ(ネタバレあり

昭和の面影が残る大阪の下町
商店街の灯り、ソースの香りが漂う路地を、**兄・俊樹(鈴木亮平)妹・フミ子(有村架純)は肩を並べて歩いてきた。
幼くして両親を亡くした二人。兄は亡き父との
「どんなことがあっても妹を守る」**という約束を胸に、ずっと妹を支え続けてきた。

やっと訪れた婚約という幸せ。
「これで肩の荷が下りる」と思った矢先、**封印してきた“秘密”**が甦る。
――それは、フミ子が幼少期から抱えていた、亡くなった女性・繁田喜代美の“心”と記憶
まるで前世のようだが、それは出生時にその“心”が宿ってしまったという不思議な現実だった。


文通の発覚と兄の怒り

結婚式の二日前、兄は偶然、フミ子が繁田の父・仁内緒で文通を続けていた大量の手紙を発見する。
「どうして約束を破ったんや!」――兄は胸の奥で煮えたぎる感情を抑えきれず、**婚約者・太郎(鈴鹿央士)**と共に車を走らせ、彦根の繁田家へ向かう。

到着した家では、フミ子が何度も訪れていたこと、兄妹の写真を送り続けていたことが判明。
兄は怒りをぶつけつつも、その行動の裏にあるフミ子の想いを少しずつ理解していく。


式当日、父を迎えに走る兄

結婚式当日。
兄は朝から車を飛ばし、彦根の繁田家まで繁田仁を迎えに行く
「娘を送ってやってほしい」――そう願った兄の決断は、フミ子と喜代美、二つの人生をつなぐための大きな一歩だった。

しかし帰路で次々とハプニングが発生。
バッテリー切れ、ホテルの場所間違い、バナナの荷崩れで道路封鎖――運命が試すような妨害の連続。
それでも俊樹は必死にハンドルを握り続ける。


バージンロードと兄のスピーチ

式場に到着すると、フミ子は繁田仁と腕を組み、バージンロードを歩いていた。
喜代美の家族が、まるで本当の娘を送り出すように微笑む姿に、会場の空気が温かく包まれる。

披露宴でマイクを握った兄は、少し照れながらもこう語る。
「妹を守る役目は、今日から新郎に託します。フミ子、お前はもう十分強い。これからは自分の幸せを遠慮せず掴め」
その言葉に、フミ子は涙を浮かべ、口だけで「ありがとう」と返す。


引き出物の“花まんま”

式の後、電車で帰る道中。フミ子が引き出物を開くと、中には小さな**“花まんま”**が入っていた。
――それは、喜代美の思い出と繁田家の愛情が詰まった、何よりの贈り物。
記憶は薄れても、二つの家族の絆は、静かにそして確かに残り続けるのだった。

私の感想

いやー、『花まんま』、予想以上に泣かされました。
前世の記憶っていうちょっと不思議な設定なんだけど、描き方がすごく丁寧で、全然“作り話感”がなくて、気づいたらどっぷり感情移入。
大阪の下町の空気感もリアルで、商店街の音とかお好み焼き屋の匂いまでスクリーンから漂ってくるようでした。

鈴木亮平さん演じる兄やんは、とにかく妹命!の男前兄貴。
有村架純さんのフミ子は、可憐なのに芯があって、でもちょっと影を背負ってる感じが本当にハマってました。
ファーストサマーウイカさんが入ると空気がふっと軽くなるし、鈴鹿央士さんは優しさがにじみ出てて、キャスティングが全員ドンピシャ。

で、泣きポイントはいくつかあるんですけど、私的にはラストの結婚式、兄やんのスピーチで完全にやられました。
「妹を守る役目は今日から新郎に託す」って言葉……。
もう“父との約束”を果たした兄の顔が、本当に優しくて、なんかこっちまで肩の荷が下りた気分。
気づいたら涙腺崩壊でした。

それにしても「花まんま」って、花びらをちぎって作ったままごとのご飯なのに、どうしてあんなに泣けるんでしょうね…。
見た目は素朴なのに、その向こうに詰まってる想いが強すぎるんですよ。
あのラストシーンは、ただの感動じゃなくて、じんわり心が温かくなるタイプの涙でした。

観終わった後、「あー、家族っていいな」って素直に思える。
そして、なんか無性に兄やんみたいな人とお好み焼き食べたくなりました…笑

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