Netflix『バスティオン36』レビュー
Netflixの新作映画『バスティオン36』が2025年2月28日より配信開始されました。 本作は、問題を起こしてエリート部隊を追われた警察官が、かつての仲間が次々と命を奪われる謎の事件に直面し、独自の捜査を開始するというサスペンスフルな物語です。
作品情報
- 監督: オリビエ・マルシャル
- 脚本: オリビエ・マルシャル
- 公開日: 2025年2月28日
- 配信プラットフォーム: Netflix
- 上映時間: 124分
- レーティング: 16+
- 制作国:フランス
キャスト紹介
- ビクトール・ベルモンド: 主人公の警察官役
- テウフィク・ジャラ: 主人公の同僚役
- イバン・アタル: 事件の鍵を握る人物役
- ジュリエット・ドル: 主人公を支える女性役
あらすじ
フランス・パリの夜、犯罪多発地域として知られる「バスティオン36」。この地区の裏側では、警察と犯罪組織が複雑に絡み合い、秩序と混沌がせめぎ合っていた。
かつてエリート部隊に所属し、卓越した捜査能力を持っていた主人公・ビクトール・ベルモンドは、ある事件をきっかけに警察内部の問題に巻き込まれ、組織を追われることになった。それから数年、彼は市警の一警官として地道な仕事に従事していたが、心のどこかではかつての仲間たちとともに戦っていた日々を忘れられずにいた。
そんなある日、彼の元へ衝撃的な知らせが入る。かつてのエリート部隊の仲間が、相次いで不審な死を遂げているというのだ。公式には「事故」や「自殺」と処理されていたが、ビクトールにはそれが単なる偶然とは思えなかった。亡くなった仲間たちは皆、かつての部隊で何か重要な秘密を共有していた。事件の背後には何があるのか——。ビクトールは独自に捜査を開始する。
捜査を進める中で、彼は旧知の同僚テウフィク・ジャラと再会し、彼もまた同じ疑問を抱いていることを知る。二人は協力し、亡くなった仲間たちが生前最後に接触していた人物や、彼らが関わっていた事件について調査を進めていく。
やがて浮かび上がったのは、警察内部のある極秘作戦の存在だった。その作戦は、警察の一部が裏で犯罪組織と密約を交わし、パリの治安維持と引き換えに何かを隠蔽していたというものだった。そして、それを知る者は次々と命を狙われていたのだ。
さらに、謎めいた情報提供者として現れた**ジャーナリストのエレーヌ**が、事件の鍵を握る重要な証拠を持っていることが判明する。しかし、彼女もまた何者かに追われており、ビクトールは彼女を守りながら真相に迫ることになる。
彼らが真相に近づくにつれ、警察上層部の関与が疑われるようになり、ついにはビクトール自身が「内部の裏切り者」として追われる立場となってしまう。組織からの圧力と、次々と迫りくる刺客。警察内部の腐敗、犯罪組織の影、そしてビクトールの過去——すべてが交錯する中、彼は真実を暴くことができるのか?
物語はクライマックスへと突き進み、彼が最後に選ぶ決断が、すべての運命を左右することになる——。
私の感想
『バスティオン36』は、フランス映画らしい緊張感と深みのあるストーリーテリングが印象的でした。 オリビエ・マルシャル監督の手腕により、主人公の内面的な葛藤とスリリングな展開が巧みに描かれていて映像の雰囲気が渋かったです。パリの夜景と犯罪が渦巻く「バスティオン36」のダークな世界観が、画面から伝わってきて、一気に物語の中に引き込まれます。派手なアクションというよりは、ジワジワと緊張感を高めていく演出がうまくて。
ビクトール・ベルモンドの演技は圧巻で、彼の持つ哀愁と強さがキャラクターに深みを与えています。 また、フランスの美しい風景と都会の陰鬱な雰囲気が対比的に映し出され、視覚的にも楽しめる作品となっています。
ストーリーもシンプルに見えて、実はかなり深い。単なる復讐劇ではなく、警察内部の腐敗や組織の闇が描かれていて、「正義とは?」みたいなテーマがしっかり伝わってきます。仲間の死の真相を追ううちに、自分自身も危険な状況に追い込まれる展開にはハラハラしました。
ちょっと重めのストーリーですが、最後まで目が離せない展開でした。フランスのサスペンス映画ってあまり見る機会がないかもしれませんが、これはオススメな一本です。
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