連続ドラマW『フィクサー Season3』全話解説|キャスト情報・あらすじ・感想徹底レビュー

出典:WOWOW連続ドラマW 『フィクサー シーズン3』
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連続ドラマW『フィクサー シーズン3』レビュー

WOWOWの連続ドラマW『フィクサー Season3』は、政界の裏側に潜む闇や権力闘争を描いた緊迫のサスペンスドラマです。このドラマは、謎に包まれたフィクサー設楽拳一(唐沢寿明)を中心に、政界や警察、そしてメディアを巻き込んだ緊張感あふれる物語が展開します。

本作では、都知事選を舞台に、表舞台に立つ候補者たちと、その裏で暗躍する設楽たちの姿が描かれます。シリーズを通して描かれてきた「正義とは何か」「権力とは誰のためのものなのか」というテーマが、誘拐事件と都政の深い闇を交えながら、視聴者に問いかけられます。

脚本を手掛けた井上由美子は、巧妙なプロットと登場人物たちの心の葛藤を緻密に描き、物語に奥行きを与えています。また、唐沢寿明をはじめとする豪華キャスト陣の演技が、フィクサーというタイトルにふさわしい緊迫感とリアリティを生み出しています。

作品情報

  • タイトル: フィクサー Season3
  • 放送期間: 2023年10月8日~11月5日
  • 放送局: WOWOWプライム
  • 脚本: 井上由美子
  • 監督: 西浦正記、池澤辰也
  • 音楽: 得田真裕

キャスト紹介

  • 設楽拳一(演: 唐沢寿明): 謎のフィクサーであり、物語の中心人物。
  • 渡辺達哉(演: 町田啓太): 新聞記者から都知事選候補者となる。
  • 板倉晃司(演: 小泉孝太郎): 警視庁の刑事で、設楽の動向を追う。
  • 丸岡慎之介(演: 要潤): 設楽の元秘書。
  • 川本栄太(演: 徳重聡): 政治評論家で、都知事選の候補者。
  • 氏原早紀(演: 大友花恋): 大手建設会社社長の娘で、誘拐事件の被害者。
  • 氏原巧巳(演: 加藤雅也): 浜潮建設の社長で、早紀の父親。
  • 渡辺響子(演: 斉藤由貴): 達哉の母親。
  • 黒羽真二郎(演: 石坂浩二): 都議会のドンと呼ばれる実力者。
  • 大貫英一(演: 古田新太): 浜潮建設の本部長で、氏原社長の右腕。
  • 沢村玲子(演: 内田有紀): ジャーナリストで、設楽と協力関係にある。
  • 須崎一郎(演: 小林薫): 民自党幹事長で、政界の重鎮。

各話あらすじ

エピソード1

新聞記者から都知事選候補者への転身を決意した渡辺達哉(町田啓太)は、フィクサー設楽拳一(唐沢寿明)の助けで新たな道を進みます。一方、都議会の実力者・黒羽真二郎(石坂浩二)が暗躍する中、建設業界を牛耳る浜潮建設の社長・氏原巧巳(加藤雅也)の娘・早紀(大友花恋)が誘拐される事件が発生。

事件の裏には政治と経済界の利害関係が絡み、設楽も巧妙に関与していきます。誘拐事件と都知事選が交錯する中、達哉は設楽との再会を果たし、新たな試練に立ち向かいます。誘拐の真相と設楽の目的が徐々に明らかになるスリリングな展開が、物語の始まりを彩ります。

エピソード2

都知事選候補者たちの舌戦が激化する中、誘拐事件の真相を探る動きも進展。設楽拳一(唐沢寿明)は、誘拐犯が要求した「東京湾埋め立て事業の中止」を渡辺達哉(町田啓太)に提案し、達哉はそれを公約として掲げる決断を下します。一方、誘拐犯との交渉に苦戦する浜潮建設の右腕・大貫英一(古田新太)は、設楽の意図に疑念を抱きます。

事件と選挙戦が絡み合う中、設楽の策略が徐々に表面化し、達哉の支持率も変化を見せ始めます。政治と陰謀が交錯する緊張感あふれる展開が描かれます。

エピソード3

誘拐事件の解決を図るため、渡辺達哉(町田啓太)は早紀(大友花恋)に代わって自ら人質となり、犯人の要求を受け入れて「東京湾埋め立て事業中止」を動画で訴えます。この行動により達哉の支持率は急上昇するものの、母・響子(斉藤由貴)は息子が設楽拳一(唐沢寿明)に利用されているのではないかと不安を募らせます。

一方、事件の背後に潜む利権や陰謀が明らかになり始め、達哉の覚悟と設楽の計画が新たな局面を迎えます。ドラマは更なる緊迫感を増していきます。

エピソード4

渡辺達哉(町田啓太)は人質解放後、会見で「東京湾埋め立て事業への反対」を公言し、都知事選に向けた立場を鮮明にします。しかし、この発言で民自党幹事長・須崎一郎(小林薫)の怒りを買い、設楽拳一(唐沢寿明)は政界の密約を暴露する音声データをジャーナリストの沢村玲子(内田有紀)に託します。

一方、事件の裏に隠された黒幕の存在が浮かび上がり、物語はさらに深い陰謀の中へ進んでいきます。達哉と設楽の運命が大きく揺れ動く展開です。

エピソード5

設楽拳一(唐沢寿明)は誘拐事件の真相を解明し、大貫英一(古田新太)が黒幕であることを突き止めます。さらに、須崎一郎(小林薫)から託された密約を利用し、政界の闇を暴露する策を講じます。一方、渡辺達哉(町田啓太)は都知事選での立場を鮮明にし、都政改革への強い意志を示します。

最終的に設楽の計画が明かされ、全ての陰謀が終結しますが、そこには新たな選択と余韻を残す結末が描かれます。シリーズを締めくくる衝撃の展開です。

感想と考察

『フィクサー Season3』は、政界の闇や権力構造を軸に、人間関係の葛藤や陰謀を描いた緊張感あふれるサスペンスドラマです。都知事選と誘拐事件が絡み合う複雑なストーリー展開は、最後まで目が離せない内容でした。特に、設楽拳一(唐沢寿明)の存在感が圧倒的で、冷徹かつ謎めいたフィクサーとしての姿に引き込まれました。彼の計算された行動の裏には、「正義」とは何かを問う深いテーマがあり、視聴者としてもその意図を考えさせられる場面が多々ありました。

また、渡辺達哉(町田啓太)の成長も大きな見どころです。新聞記者から都知事選候補者へと転身し、度重なる試練に立ち向かう姿は、視聴者に希望と共感を与えました。彼が設楽に影響を受けながらも、最後には自分自身の信念を貫く姿勢が描かれた点が非常に印象的です。都知事選という現実的なテーマと誘拐事件というドラマティックな要素が融合し、政治と個人の信念が衝突する瞬間にリアリティを感じました。

物語の中で特に印象に残ったのは、設楽と須崎幹事長(小林薫)との駆け引きです。二人の間で交わされる言葉や行動には、それぞれの価値観や背景が垣間見え、一瞬たりとも油断できない展開でした。また、大貫英一(古田新太)の黒幕としての存在感も見事で、最後の最後まで何が真実なのかを視聴者に考えさせる構造が秀逸でした。

「正義」と「悪」が時に入れ替わる政治の世界を舞台にした本作は、単なるサスペンスに留まらず、現代社会の問題点や矛盾を映し出しています。そのため、単なるエンターテインメント以上に、社会に対する問いかけやメッセージ性を感じる作品でした。

「フィクサー」という存在が果たしてどのような意味を持つのか、また現実の社会にも似たような裏側があるのではないかと考えさせられました。政治、権力、そして人間の弱さや強さが交錯するドラマとして、大変満足度の高い最終章でした。今後もこのような社会派サスペンスが制作されることを期待したいと思います。

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