韓国ドラマ『善意の競争』レビュー
韓国ドラマ『善意の競争』(原題:선의의 경쟁)は、2025年2月10日から3月6日までU+モバイルTVで配信された全16話のミステリー・スリラー作品です。このドラマは、同名のウェブトゥーンを原作としており、韓国の上位1%が集まる名門校・彩和女子高等学校を舞台に、転校生スルギと彼女を取り巻く友人たち、そして大学入試問題作成委員だった父親の謎の死を巡る物語が展開されます。
❖ 作品情報
- タイトル: 善意の競争
- 原作: ソン・チェユン、シム・ジェヨンによる同名ウェブトゥーン
- 監督・脚本: キム・テヒ
- 話数: 全16話(各話約30分)
- 配信プラットフォーム: U+モバイルTV、U+tv
❖ キャスト紹介
- ユ・ジェイ役: イ・ヘリ
彩和女子高で常にトップの座を維持する天才女子高生。外見、家柄、成績の全てが完璧で、周囲からの羨望を一身に受ける存在です。 - ウ・スルギ役: チョン・スビン
地方の児童養護施設出身で、彩和女子高に転校してきた生徒。学業と成績に執着し、上位1%の生徒たちの中で生き残るために奮闘します。 - チュ・イェリ役: カン・ヘウォン
彩和女子高のゴシップクイーン。外見や高級ブランド品に執着し、他人の評価を非常に気にする性格です。 - チェ・ギョン役: オ・ウリ
常に2位の座に甘んじている生徒で、ユ・ジェイに対するコンプレックスを抱えています。
❖ あらすじ
韓国屈指の名門・彩和女子高等学校。ここは、外見・成績・家柄、すべてを兼ね備えた“選ばれし少女たち”が通う場所。転校生ウ・スルギは、地方の児童養護施設からこの学校にやってきた。彼女にとって、ここは「人生を変えるチャンス」。貧しさを脱却し、自分の人生を手に入れるため、学業成績でトップになることが絶対条件だった。
だが、そこに立ちはだかるのが、完璧すぎる女王・ユ・ジェイ。常に1位を独占し、誰もが一目置く存在。しかし彼女もまた、家庭で抱えるプレッシャーや孤独と戦っていた。学校という名の“戦場”で、スルギは彼女と静かに火花を散らし始める。
スルギは仲間を作ろうとするが、彩和の生徒たちは表向きの笑顔と裏の競争心を使い分ける百戦錬磨の猛者たち。中でも、SNS依存のチュ・イェリ、コンプレックスを抱えるチェ・ギョンとの関係は、やがてスルギの精神を大きく揺さぶっていく。
そんな中、スルギにとって衝撃的なニュースが舞い込む。
「父親が謎の死を遂げた――」
彼はかつて、韓国の大学入試問題を作成していた国家的な教育関係者。スルギはその死が単なる事故ではないと感じ始める。そして、彼の死には彩和女子高の“ある生徒”が関係しているかもしれないという情報にたどり着く。
成績のため、将来のため、家族のため――
少女たちは時に友情を利用し、時に裏切り、“善意”という仮面の裏で静かにナイフを突き立てる。
真実を暴こうとするスルギの行動が、次第に学校全体を揺るがす騒動へと発展し、彼女の運命は予想もしない方向へ…。
❖ 私の感想
『善意の競争』を観終わってまず感じたのは、**「韓国学園ドラマの進化、ここに極まれり」**ということでした。ただのスクールカーストや友情トラブルではなく、心理戦・社会構造・そして親子関係まで絡んだ複雑なヒューマンドラマに仕上がっていて、見応えがありました。
まず主人公・ウ・スルギの目線で進んでいく物語がとても丁寧で、彼女が抱える不安や焦りが画面越しにひしひしと伝わってきます。養護施設出身という設定も決して“同情”を引くためではなく、「自分の力で這い上がりたい」という芯の強さが全編を通して感じられて、心を打たれました。
一方で、ユ・ジェイというキャラクターの魅力と闇もすごい。一見完璧な彼女が実は**「完璧でいることを強いられている」**という背景に、とても共感しました。親の期待、他人の評価、自分の孤独。それでも仮面をかぶって立ち続ける強さと危うさがリアルで、何度も胸が締め付けられました。
物語の中盤からは、「父の死の真相」が少しずつ浮かび上がってくるミステリーパートが加わり、一気にサスペンス感が増します。ただの学園ドラマじゃない、“人の本性”を暴くような鋭さがありつつも、決して冷たくはない、その絶妙なバランスがこの作品の魅力だと思います。
そして何より印象的だったのは、「善意」という言葉の重みです。本当に人のためを思ってすることもあれば、「自分をよく見せるための善意」や「支配するための優しさ」もある。このドラマでは、その微妙な境界線が何度も描かれます。
視聴後には、**「私が誰かに向けている優しさは、本当に善意なのだろうか?」**と、自然に自問してしまう。そんな余韻のある作品でした。
❖ まとめ 〜“善意”の意味を問う、静かで激しい戦い〜
『善意の競争』は、単なる学園ドラマではありません。トップの座を争う少女たちの静かな心理戦の裏に、社会構造や家族の問題、そして善と悪の曖昧な境界線が描かれた、深みのあるヒューマンドラマです。
登場人物それぞれが持つ事情や葛藤が丁寧に描かれていて、誰か一人を「悪者」と断じられないリアルさが胸に響きます。そして、視聴者に突きつけられる問い――
「あなたのその善意は、誰のためのものですか?」
1話30分×全16話という見やすいボリュームながら、内容はとても濃密。
見れば見るほど引き込まれ、観終わった後にはきっと誰かと語りたくなるドラマです。
もし今、「何か観応えのある作品を探している」「心に残る学園ものを観たい」と感じているなら――
『善意の競争』は、間違いなくおすすめの1本です。
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