ドラマ『きみが心に棲みついた』レビュー
イントロダクション
ドラマ『きみが心に棲みついた』は、2018年にTBS系で放送された恋愛ドラマで、天堂きりんの同名漫画を原作としています。主人公の小川今日子(吉岡里帆)は、自己評価が低く、挙動不審な言動から「キョドコ」とあだ名される女性。彼女が二人の男性の間で揺れ動く姿を描いたラブストーリーです。
キャスト紹介
- 小川今日子(吉岡里帆): 下着メーカー「ラプワール」に勤務する27歳の女性。自己評価が低く、他人の意見に流されやすい性格。
- 星名漣(向井理): 今日子の大学時代の先輩であり、現在は同じ会社の上司。一見優しそうな好青年だが、裏の顔を持ち、今日子を支配しようとする。
- 吉崎幸次郎(桐谷健太): 漫画編集者で、今日子が自分を変えてくれるのではないかと惹かれる存在。厳しい言葉を投げかけるが、その裏には優しさと誠実さがある。
- 飯田彩香(石橋杏奈): 今日子の同期で、星名に恋心を抱く。
- 堀田麻衣子(瀬戸朝香): 今日子の職場の先輩で、姉御肌のデザイナー。
※ネタバレあらすじ
今日子は子供の頃から自分に自信が持てず、他人に依存しがちな性格でした。そのため、職場でも「キョドコ」と呼ばれるほど挙動不審な態度が目立っています。そんな彼女が下着メーカー「ラプワール」で働く中、ある日、職場の先輩堀田に誘われて参加した合コンで漫画編集者の吉崎と出会います。吉崎は今日子の不器用さを見抜きつつも「自分のことをもっと大事にしろ」と厳しい言葉をかけ、今日子にとって初めて自分を真っ直ぐに見てくれる存在として心に残る人となります。
その矢先、今日子の大学時代の先輩であり、彼女の初恋の相手でもある星名漣が同じ会社の上司として再び現れます。星名は今日子の弱さを熟知しており、巧みに彼女を支配しようとします。大学時代、星名は一見頼りになる優しい先輩として今日子を引き付けましたが、その裏では彼女の心を弄び、深い傷を与えました。現在でも星名は、職場で今日子を心理的にコントロールしようとし、彼女を自分から離れられない存在にしようとします。
一方で吉崎は、今日子が星名に囚われている状況に気づきつつ、彼女の自主性を尊重し、無理に助け出そうとはしません。しかし、吉崎との関わりの中で今日子は徐々に自分の感情や立場について考え始めます。星名の言いなりになっていた頃とは異なり、吉崎の存在を通して自分自身を取り戻そうとする意志が芽生え始めます。
物語のクライマックスでは、今日子は星名に対して「もうあなたには支配されない」と告げ、吉崎と新しい一歩を踏み出す決意を固めます。しかし、物語はここで終わりません。結婚式の最中に届いた「キョドコのくせに」という謎めいた電報が、星名の影が完全には消え去っていないことを暗示します。今日子が本当の意味で過去を乗り越えるには、まだ時間が必要だと示唆され、視聴者に余韻を残すラストとなっています。
私の感想
『きみが心に棲みついた』、最初は「え、これ大丈夫?」と思うシーンもいくつかありました…笑。特に星名のやり方、今の時代ではちょっとヤバすぎるところがあって、彼の支配的な行動にかなり引きました。ただ、それがあるからこそ今日子の成長が際立つのも事実で、見終わる頃には、今日子を絶賛応援してました。
吉岡里帆さんの演技は、本当に繊細で、今日子の葛藤や弱さを見事に表現していて素晴らしかったです。一方で、向井理さんが演じる星名の怖さと魅力のギャップは、見ている側をゾクッとさせます。あの表情の切り替えは本当にすごいです。
でも、やっぱり現代の感覚で見ると、ちょっと気になるポイントもあります。恋愛がテーマなんだけど、「恋愛だけが人生の救いじゃないよね?」と思うシーンがいくつかあったり。もちろん吉崎が優しくて素敵だから応援したくなるけど、もう少し今日子が自分の力で立ち上がる描写があったらもっと良かったかなと思いました。
全体として、ドラマのメッセージは深いです。自己肯定感の大切さや、人との関わり方について考えさせられる部分がたくさんありました。今日子の変化は、多くの人に共感を与えると思いますし、特に何かに悩んでいる人には刺さる作品だと思います。
あと、ドラマとしてはエンタメ要素もしっかりあって、次が気になる展開が多いので最後まで飽きずに見られました。「キョドコ」の愛らしさや星名の謎めいた行動、吉崎とのピュアなやりとりなど、いろんな感情が詰まった作品でした。
注意 本記事は、ドラマ『きみが心に棲みついた』のネタバレを含んでいます。未視聴の方はご注意ください。
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