映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』レビュー
映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』は、荒木飛呂彦の漫画シリーズ『ジョジョの奇妙な冒険』のスピンオフ作品『岸辺露伴は動かない』を原作とした実写映画です。2023年5月に公開され、特殊能力を持つ漫画家・岸辺露伴がフランスのルーヴル美術館で「最も黒い絵」を巡るミステリアスな冒険に挑む物語です。
イントロダクション
本作は、漫画家の岸辺露伴(高橋一生)が、若き日に出会った女性・奈々瀬(木村文乃)との記憶を辿り、「この世で最も黒い絵」を求めてルーヴル美術館を訪れるミステリー・ファンタジーです。露伴は、自身の能力「ヘブンズ・ドアー」を駆使しながら、ルーヴルの地下に眠る黒い絵にまつわる謎と対峙します。
キャスト詳細
・岸辺露伴(高橋一生): 主人公で、特殊な能力「ヘブンズ・ドアー」を持つ漫画家。冷静で知的なキャラクターを見事に演じています。
・泉京香(飯豊まりえ): 露伴の担当編集者。彼と絶妙な掛け合いを見せ、映画全体にバランスをもたらす存在。
・青年期の岸辺露伴(長尾謙杜): 若き日の露伴を演じ、露伴の成長と恋愛感情を初々しく表現しています。
・辰巳隆之介(安藤政信): 東洋美術の専門家で、美術館内で謎に関わる重要な人物。どこか怪しげな雰囲気を持つ。
・エマ・野口(美波): 露伴たちを案内する通訳で、悲しい過去を抱えつつ、謎に挑む。
・奈々瀬(木村文乃): 露伴の青年期に出会うミステリアスな女性で、物語の中心的存在。
あらすじ※ネタバレあり
岸辺露伴は「最も黒い絵」を求めてフランスのルーヴル美術館を訪れます。この絵は、露伴が若い頃に出会った女性・奈々瀬から聞かされたもので、彼女は露伴の心に深い印象を残し、突然姿を消しました。彼女が消えた後も、露伴は彼女に教えられた「邪悪な絵」の存在を忘れられず、その絵を見るためにルーヴルへの取材を決意します。
露伴は編集者の泉京香とともに美術館を訪れ、通訳のエマ・野口や東洋美術の専門家である辰巳隆之介と出会います。彼らは、美術館の倉庫Z-13に保管されている「最も黒い絵」を発見します。この絵には、異常な力が宿っており、見た者に幻覚や怪奇現象を引き起こします。露伴たちは次々にこの怪異に巻き込まれ、緊迫した展開が続きます。
物語のクライマックスでは、この呪われた絵が江戸時代の画家・山村仁左右衛門の作品であることが明らかになります。仁左右衛門は、理想の黒色を得るために、妻・奈々瀬の黒髪と神聖な木から得た黒の樹液を使って絵を描きました。しかし、その結果、悲劇的な運命が二人を待ち受けており、絵には怨念が宿ることになります。この呪いは、現代にまで続いており、露伴は自身の能力を使ってこの絵の謎を解き明かし、怪異を収めるために奮闘します。
最終的に、露伴は奈々瀬の霊と再会し、彼女の過去や仁左右衛門の悲劇を読み取ることで、絵に込められた怨念を理解します。呪われた絵は火災によって消失し、物語は一応の決着を迎えますが、露伴の心には奈々瀬への思いが残り続けます。
評価と見どころ
私の感想
映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』を見た感想は、一言で言うと「不気味だけど美しい」体験でした。ルーヴル美術館という荘厳な舞台で、アートがただの静物ではなく、恐ろしい力を秘めた存在として描かれているのが印象的。特に、高橋一生さん演じる露伴の冷静さと、怪異に巻き込まれながらも常に謎解きを進めるその姿に引き込まれました。彼の「ヘブンズ・ドアー」能力を使った解決シーンは、まさに彼らしい知的なアプローチで、観ていてスッキリする瞬間が多かったです。
ストーリー自体も、露伴の過去や奈々瀬との感情的なつながりが絡み合っていて、意外と感動するところもありました。特に最後、呪われた絵にまつわる悲しい歴史が明らかになるシーンでは、キャラクターたちの苦悩がしっかり描かれていて、良かったです。
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