ABEMAドラマ『ミス・キング』レビュー
イントロダクション
天才棋士の父に人生を奪われた国見飛鳥(のん)。深い憎しみがきっかけで将棋の才覚に“覚醒”し、元棋士・藤堂(藤木直人)と手を組んで「盤上の復讐」を誓う——“史上初の女性棋士”を目指すダークヒーローのサクセス×リベンジ譚。ABEMAの公式特設ページとリリースでも、のんの“新境地”として打ち出されています。
作品情報
- タイトル:『MISS KING / ミス・キング』
- 配信:ABEMA(毎週月曜20:00/全8話)、Netflix同時配信(公式発表)
- 初回配信日:2025年9月29日(月)20:00
- 企画:畑中翔太/脚本:荒木哉仁・石田剛太・山岸聖太/監督:山岸聖太・椿本慶次郎/プロデューサー:小林宙 ほか
- 制作:ソケット/製作著作:ABEMA
出典:ABEMA公式LP・ニュースリリース。
キャスト紹介
- 国見飛鳥:のん——“盤上で戦うダークヒーロー”。父への復讐心を原動力に将棋界へ。
- 藤堂成悟:藤木直人——飛鳥の“共犯者”となる元棋士。
- 堺 礼子:倉科カナ——藤堂の恋人。飛鳥と藤堂を支える存在。
- 結城彰一:中村獅童——飛鳥の父。家族を捨てた天才棋士。
そのほか:奥貫薫、森愁斗、鳴海唯、西岡德馬、山口紗弥加 ほか。
第1話 ネタバレあらすじ
雨の夜。国見飛鳥はひとりで、暗いアパートの部屋に佇んでいた。壁に掛かったテレビには、華やかな照明に照らされ、勝利を収めた棋士・結城彰一の姿が映し出されている。その男こそ、彼女の父。だが飛鳥にとっては父親ではなく、自分の人生を奪った張本人だった。
拍手喝采を浴びる父の笑顔に、飛鳥の胸に走るのは誇りではなく、憎悪。手が震えるほどの怒りと孤独が渦を巻き、「殺したい」ほどの激情となって彼女を押し潰そうとしていた。
やがて、盤上の駒に手を伸ばした瞬間、飛鳥の内側で何かが閃く。駒を置く音は、まるで彼女の心臓の鼓動と重なり合い、静かな部屋に鋭く響く。その一手ごとに、怒りは形を変え、“覚醒”の兆しとなって彼女の血を熱くした。
そんな彼女の前に現れるのが、落ちぶれた元棋士・藤堂成悟。かつて将棋界に名を馳せたが、今は酒と挫折に沈む男。だが彼は、飛鳥の眼差しに潜む“炎”を見逃さなかった。
「お前のその怒りを、勝負に変えろ。復讐は、盤上でやれ」
藤堂の言葉は、飛鳥の心を撃ち抜く。父を憎む少女と、棋士として過去に囚われた男——奇妙な共犯関係がここに生まれる。
藤堂の恋人・礼子の存在もまた、飛鳥に温かさを与える。孤独と怒りに飲み込まれそうな少女を見守る灯火のように、礼子の言葉が彼女を現実へと引き戻す。
物語の終盤、飛鳥は決意する。
「私は、女だからって舐められる世界を覆す。父を超える。史上初の女性棋士になって、盤上であの男を叩き潰す」
その眼差しは、もはや迷子の少女のものではなかった。父への復讐と“ミス・キング”の称号を手にするための、闘う者の眼差しだった。
第1話は、飛鳥の憎しみが「才能」へと変換され、復讐の旅路が幕を開けるまでを描く導入編。怒りと孤独、そして覚醒。このすべてが、将棋盤という戦場に凝縮されていく。
私の感想
いや〜、第1話からめちゃくちゃ重厚で引き込まれましたね。正直、のんがここまで“怒り”を背負ったキャラクターを演じるのは意外でした。いつもの透明感あるイメージと違って、静かに沸騰していくような演技がめっちゃ効いてて、「あ、これは本気で父を超える覚悟だな」とゾクっとしました。
父親が表舞台で脚光を浴びている一方で、娘がどん底で憎しみに囚われている。このコントラストがドラマの芯になってて、観ているこっちまで胸がざわざわするんですよね。特に“殺したい”ほどの感情が、将棋という冷静な盤上の世界に変換されていく流れは、本当に見事。復讐と勝負のロジックがピタッと重なる瞬間は、良かったです。
あと、藤木直人さん演じる藤堂の存在がいいスパイス。落ちぶれた元棋士なんだけど、飛鳥の“火種”を見抜いて一緒に賭けていく。この関係性がバディものっぽくて、ちょっと熱いんです。さらに倉科カナ演じる礼子が温かく支えることで、飛鳥がギリギリで人間らしさを保てている感じ。暗いだけじゃなく、ちゃんと“救い”のバランスも取れていて観やすい。
今後に期待するのはやっぱり、飛鳥がどう“女性棋士”として壁を突破していくか。将棋界は保守的な部分も多いから、盤外戦も絶対描かれるはず。父との直接対決も、どのルールで、どんな状況で迎えるのか…想像するだけでワクワクします。復讐劇でありながら、サクセスストーリーでもあるから、カタルシスの爆発が楽しみです。
結論、第1話はめっちゃ良い滑り出し。のんの新しい顔を見せてくれたし、藤堂とのコンビの行方、父との最終局面まで一手一手を追いかけたくなるドラマ。
まとめ
『ミス・キング』第1話は、父への憎しみから将棋の才能に覚醒していく飛鳥の姿を描いた、衝撃的な幕開けでした。のんが演じる飛鳥は“怒り”を燃料にしながらも、どこか脆さを抱えたヒロイン。その複雑さが観る側の心を強く掴みます。藤堂との奇妙な共犯関係、礼子の支え、そして父・彰一との因縁…すでに濃厚な人間ドラマの布石が張り巡らされていました。
復讐劇でありながらサクセスストーリーでもあるこの作品は、「勝つこと」と「生きること」が直結する緊張感に満ちています。今後、飛鳥が史上初の女性棋士としてどんな壁を突破し、いつ父との直接対局を迎えるのか。その一手一手が待ち遠しくて仕方ありません。
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