映画『室町無頼』レビュー
映画『室町無頼』は、直木賞作家・垣根涼介の同名歴史小説を原作に、入江悠監督が手がけた2025年公開のアクション時代劇です。主演の大泉洋が演じる蓮田兵衛は、歴史書にわずか一行しか記されていない実在の人物であり、応仁の乱前夜の混沌とした京都を舞台に、無頼の徒たちの壮絶な戦いが描かれます。
🎬 イントロダクション
1461年、応仁の乱前夜の京。大飢饉と疫病がこの国を襲い、賀茂川ベリにはたった二ヶ月で八万を超える死体が積まれ、人身売買、奴隷労働が横行する中世のダークエイジ。しかし、時の権力者は無能で享楽の日々を過ごすばかり。貨幣経済が進み、富める者はより一層富み、かつてない格差社会となっていた。
蓮田兵衛は、己の腕と才覚だけで混沌の世を泳ぐ自由人。各地を放浪する彼の眼差しは、ひとり遠く、暗黒時代の夜明けを見つめていた。一方、才蔵はすさまじい武術の才能を秘めた若者。天涯孤独で餓死寸前を生き延びたが、絶望の中にいた。しかし、兵衛に見出され、鍛えられ、才蔵は兵法者としての道を歩み始める。才蔵の武器となるのは、“六尺棒”。地獄の修行を終えた時、超人的な棒術を身につけた才蔵の前に敵は無い。
🎥 作品情報
- タイトル:室町無頼
- 公開日:2025年1月17日
- 上映時間:134分
- 監督・脚本:入江悠
- 原作:垣根涼介『室町無頼』
- 配給:東映
👥 キャスト紹介
- 蓮田兵衛(大泉洋):剣の達人であり、腐りきった室町幕府を倒し世直しを目指す無頼漢。
- 才蔵(長尾謙杜):天涯孤独の身で、兵衛に出会い心酔する青年。地獄のような修行を経て「六尺棒」の超人的な棒術を身につける。
- 骨皮道賢(堤真一):300人の荒くれ者を率いる警護役の首領。兵衛の悪友だが、一揆を阻止するため対峙することになる。
- 芳王子(松本若菜):高級遊女で絶世の美女。かつては道賢、現在は兵衛の情婦として二人の間を取り持つ。
- 唐崎の老人(柄本明):一見弱々しい老人だが、実は棒術の達人。兵衛と才蔵の師匠。
- 名和好臣(北村一輝):足利義政に仕える有力大名。民の困窮を尻目に贅沢な暮らしを送る。
📖 あらすじ
時は1461年、京の都。応仁の乱のわずか数年前、世はすでに“乱世”の様相を呈していた。
大飢饉と疫病が人々を容赦なく襲い、賀茂川のほとりには、わずか二か月で八万の死体が積み上げられたという地獄絵図。人心は荒廃し、人身売買や奴隷労働が日常となった中世のダークエイジ。
この無秩序な世界に、一人の男が現れる。
名を蓮田兵衛(大泉洋)。
武力と知略を兼ね備え、腐敗した室町幕府を打倒しようと密かに動き出す“無頼の漢”。彼は権力に媚びず、己の信念と腕一本で世を渡る“自由人”だ。
そんな彼の前に現れたのが、飢えと絶望の中で死にかけていた若者・才蔵(長尾謙杜)。
兵衛は才蔵の内に秘められた力を見抜き、地獄のような修行を課す。
やがて才蔵は、武器「六尺棒」を操る驚異的な棒術使いとして覚醒。
その戦いぶりは、まさに“無敵”。
一方で、かつての悪友・骨皮道賢(堤真一)は、幕府の命を受け市中を治める存在となっていた。
300人の荒くれ者を従える彼と兵衛は、友として共に生きてきた過去を背負いながらも、敵として再会することになる。
そして、民衆を虐げながら贅を極める支配者たちに、“無頼”たちは牙を剥く。
権力、裏切り、友情、そして覚悟。
すべてを背負って挑む、前代未聞の“世直し一揆”が、いま幕を開ける――。
✍️ 私の感想
『室町無頼』、まず何と言っても、大泉洋さんの存在感が抜群。
飄々とした雰囲気の中に、強さと信念がちゃんとあって、「こういう時代劇キャラ、今までにいなかったかも…」って思いました。現代の価値観で見るからこそ、兵衛の“無頼っぷり”がむしろカッコよく見えるんですよね。
そして、長尾謙杜くん演じる才蔵も良かった。
最初は“か弱い青年”って感じだったのに、どんどん目つきも体つきも変わってきて、最終的には「この人、六尺棒で無双するんか…!」ってレベルの頼もしさに。修行シーンも熱かったです!
あと、堤真一さんの“悪友ポジション”も良いアクセントでした。
対立しながらもどこか分かり合ってる感じとか、友情と義のバランスが絶妙で、じんわりくる場面も。
時代劇なんだけど、テンポが良くてアクションもバチバチだし、若い人も見やすい作品だなと思いました。
ちょっと音楽が西部劇風で「ん?」と思うとこもありましたが、それもこの作品の“らしさ”なのかも。
カッコよくて熱くて、ちょっと笑えて、でも最後はちゃんと胸に残る。
そんな映画でした。
Amazonプライムビデオで独占配信中です♪


ポチッと応援して頂けたら嬉しいです
コメント