WOWOWドラマ『殺意の道程』レビュー｜キャスト・ネタバレあらすじ・感想

2024年9月26日

WOWOWドラマ『殺意の道程』レビュー

イントロダクション

『殺意の道程』は、バカリズムが脚本を手掛け、自ら井浦新とともに主演を務める新感覚のサスペンスコメディです。復讐をテーマにしながらも、シリアスとユーモアが絶妙に融合した作品で、視聴者に新しいドラマ体験を提供します。全7話構成で、2020年11月から12月にかけて放送されました。

キャスト情報

役名	俳優名	役柄の説明
吾妻満	バカリズム	一馬の従兄弟。復讐計画を共に立案する相棒。
窪田一馬	井浦新	主人公。父の死を機に復讐を決意する。
このは	堀田真由	キャバクラ嬢。満と一馬の計画を手助けする。
窪田貴樹	日野陽仁	一馬の父。室岡に騙され、多額の借金を抱え自ら命を絶つ。
室岡義之	鶴見辰吾	取引先の社長で、貴樹を追い詰めた張本人。一馬の復讐のターゲット。
重盛隼人	河相我聞	一馬の親友。復讐計画に協力する。
ゆずき	佐久間由衣	キャバクラ嬢。計画の一環で協力する。

あらすじ※ネタバレあり

物語は、窪田貴樹（父）が取引先の社長・室岡義之に騙され、多額の負債を抱えた末にビルの屋上から自ら命を絶つところから始まります。貴樹の息子である窪田一馬（井浦新）は、父の無念を晴らすため、復讐を決意します。室岡に対して何の罪も問われないことに怒り、一馬は従兄弟の吾妻満（バカリズム）と手を組んで、室岡殺害を計画します。

しかし、一馬も満も犯罪の経験は全くなく、復讐計画は次々と困難に直面します。計画を遂行するために、二人はあらゆる手段を模索し、慎重に準備を進めます。彼らは一馬の親友である重盛隼人（河相我聞）や、キャバクラ嬢のこのは（堀田真由）とゆずき（佐久間由衣）の助けを借りて、殺害の方法を考えることになります。キャバクラ嬢たちからは、様々な「アンダーグラウンド」な情報が提供され、重盛は道具や手段を手配する役割を担います。

ドラマの進行と共に、二人は「完全犯罪」を目指してシミュレーションを繰り返し、ありとあらゆるトラブルに直面します。殺害に必要な道具の調達、室岡の動向を監視するための情報収集、犯行当日のリハーサルなど、彼らは細かい計画を立てます。しかし、経験のなさからくる失敗や予想外の出来事が続き、思い通りには進みません。

物語のクライマックスでは、ついに復讐の瞬間が訪れます。彼らは室岡を殺すための最終的なシナリオを実行に移しますが、結果的に一馬と満の間で心理的な葛藤が生じます。彼らが本当に復讐を成し遂げるべきか、それとも自らの手を汚さずに別の方法を考えるべきか、二人の心の動きが描かれます。

最終的な結末は、観る者に驚きをもたらします。復讐は成功したのか、それとも彼らは自らの正義と良心に折り合いをつける選択をしたのか——

評価

『殺意の道程』は、そのユニークな設定とキャラクターの掛け合いが評価されています。特に、バカリズム独特のセンスが光る脚本は、シリアスなテーマにユーモアを巧みに織り交ぜることで、視聴者に深い印象を与えました。また、井浦新との掛け合いも秀逸で、ドラマ全体を引き締めています。視聴者からは、シリアスな題材ながらも軽快に進行する展開が楽しめると好評です。

私の感想

『殺意の道程』は、一見シリアスな復讐劇と思いきや、ところどころに散りばめられたユーモアが非常に心地よく、最後まで飽きさせない展開でした。特に、復讐という重いテーマを扱いながらも、二人の主人公があたふたと計画を進めていく様子は、笑いを誘うシーンが多くあり、思わずクスっとしてしまいました。また、全7話というコンパクトな尺も、テンポよく物語が進む要因となっており、一気に見てしまうことができました。

キャラクターたちの掛け合いが非常に魅力的で、特にバカリズムさんと井浦新さんの絶妙なコンビネーションは、他のドラマにはない独特な空気感を醸し出しています。復讐の結末がどうなるのか、最後まで目が離せませんでした。全体として、重いテーマを軽やかに描いた秀逸なサスペンスコメディであり、非常に満足できる作品でした。