ドラマ『わかっていても the shapes of love』レビュー
日本版『わかっていても』の魅力
ABEMAオリジナル連続ドラマ『わかっていても the shapes of love』は、2024年12月9日より配信が開始された話題作です。本作は、韓国で大ヒットした同名のWebtoonを原案とし、日本の鎌倉を舞台に再構築されています。「わかっていても」の日本版は、恋愛における「傷つくとわかっていても、愛に手を伸ばしてしまう人間の衝動」を繊細に描き出し、視聴者の心を掴む魅力的な作品です。
キャストとその魅力
- 横浜流星：香坂漣（こうさか・れん）役。海外から赴任してきた特別臨時講師で、若き天才芸術家。誰もが近づきたくなる吸引力と、誰にも深入りさせないミステリアスな魅力を併せ持つ。
- 南沙良：浜崎美羽（はまさき・みう）役。美術大学の彫刻学科助手。過去の恋愛にトラウマを抱え、二度と恋はしないと決めているが、漣との出会いで心境に変化が生じる。
- 福地桃子：椎名光莉（しいな・ひかり）役。彫刻科の院生2年。明るいムードメーカーで、恋愛に関しては自由奔放な一面を持つ。
- 浅野竣哉：長壁颯（おさかべ・そう）役。彫刻科の院生2年。木彫の仏像をストイックに彫り続け、創作に真剣に向き合う。
- 朝倉あき：川瀬咲（かわせ・さき）役。美羽や愛実から信頼を寄せられる先輩で、広告代理店に勤務。
- 夏子：吉野愛実（よしの・めぐみ）役。美羽と同じく助手として彫刻学科に勤める。創作も人間関係も器用にこなす。
- 霧島れいか：香坂美月（こうさか・みつき）役。漣の母親で、世界中で公演を行うコンテンポラリーダンサー。
- 中山忍：宇佐美早子（うさみ・はやこ）役。彫刻学科の教授で、学生や助手たちを見守る存在。
- 村上淳：我妻善一（わがつま・ぜんいち）役。漣の才能を見抜き、創作活動の場を提供してきた恩師。
総合的なあらすじ
『わかっていても the shapes of love』は、恋愛の複雑さと人間の感情の交錯を描いたドラマです。海外から鎌倉の美術大学に赴任してきた香坂漣は、その天才的な才能とミステリアスな魅力で周囲を惹きつけます。漣は、過去のトラウマを抱えながら恋愛に臆病になっている助手の浜崎美羽と出会い、次第に惹かれ合うようになります。
一方、美術大学の彫刻学科には、自由奔放な椎名光莉やストイックに創作活動を続ける長壁颯といった個性的な院生たちがいます。彼らのそれぞれの思いや葛藤が、美術作品を通じて交錯し、複雑な人間関係が織りなされます。また、美羽の親友や漣の恩師といった登場人物も物語に深みを与え、恋愛や友情、自己発見といったテーマが丁寧に描かれます。
美羽と漣の関係が深まる中、漣の過去や美羽のトラウマが再び浮き彫りになり、物語は次第に緊迫感を増していきます。登場人物それぞれの内面的な成長や、彫刻を通じて描かれる「形」が視聴者に多くの共感を呼び起こします。恋愛の喜びと痛みをリアルに表現しつつ、美術というテーマが独特の世界観を作り上げている点も本作の大きな魅力です。
視聴者の共感を呼ぶ『わかっていても』
『わかっていても the shapes of love』は、恋愛の美しさと難しさをリアルに描いた作品です。香坂漣というキャラクターは、横浜流星の持つミステリアスな雰囲気と絶妙にマッチしており、非常に魅力的です。また、浜崎美羽役の南沙良の繊細な演技が心を揺さぶり、観る者を引き込む力があります。
特に注目すべきは、美術を題材にしたストーリーが登場人物たちの内面的な葛藤や成長と絶妙にリンクしている点です。彫刻科のキャラクターたちがそれぞれの人生において「形」を見つけていく過程が、美術作品の制作と重なり合い、観る者に深い印象を残します。画面越しに伝わる繊細なカメラワークや音楽も、作品の雰囲気を一層引き立てていました。
また、三角関係や複雑な人間関係が物語を彩る中で、視聴者として登場人物たちの感情に共感しやすい仕掛けが施されている点も魅力です。視聴を進めるごとに、彼らが抱える悩みや葛藤が自分自身の経験と重なるような感覚を味わえました。
次のエピソードではさらに深まる人間関係や美羽と漣の関係の進展が期待されます。恋愛と自己発見をテーマにしたこのドラマは、視聴者にとって共感できる要素と心に残るメッセージを多く含んでいます。
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