映画『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』レビュー
映画『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』は、2025年1月17日に日本で公開された伝記ドラマで、ドナルド・トランプの若き日々を描いています。監督はアリ・アッバシ、脚本はガブリエル・シャーマンが担当し、主演はセバスチャン・スタンが務めています。
🎬 イントロダクション
本作は、世界で最も注目された大統領、ドナルド・トランプの若き日々に焦点を当てています。成功を夢見る20代のトランプが、伝説の弁護士ロイ・コーンと出会い、彼の教えを受けて変貌を遂げる過程を描いています。監督のアリ・アッバシは、前作に続き本作もカンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、高い評価を受けました。
🎞️ 作品情報
- 原題:The Apprentice
- 監督:アリ・アッバシ
- 脚本:ガブリエル・シャーマン
- 製作年:2024年
- 製作国:アメリカ
- 上映時間:123分
- 配給:キノフィルムズ
- 公開日:2025年1月17日
- 年齢制限:R15+
👥 キャスト紹介
- ドナルド・トランプ:セバスチャン・スタン
- ロイ・コーン:ジェレミー・ストロング
- イヴァナ・トランプ:マリア・バカローヴァ
- フレッド・トランプ:マーティン・ドノヴァン
📖 あらすじ
1980年代、ニューヨークの不動産王への道を歩み始めた若きドナルド・トランプ(セバスチャン・スタン)は、父フレッド・トランプ(マーティン・ドノヴァン)の影響力の下で成長していた。 しかし、彼の家業であるトランプ・オーガナイゼーションは、**「人種差別による入居拒否」**として政府に訴えられ、大きな危機に直面していた。全米での評判が急落し、父親の築いた帝国が崩壊の危機に瀕する中、トランプは生き残るための新たな道を模索し始める。
そんな折、彼はニューヨークのエリートが集う高級クラブで、**辣腕弁護士ロイ・コーン(ジェレミー・ストロング)と運命的に出会う。コーンは、かつてマッカーシズムの象徴的存在として、冷酷な政治戦術と無慈悲な法廷戦略で名を馳せた悪名高き人物。トランプはこのカリスマ的な弁護士に強く惹かれ、「成功のためには手段を選ぶな」**というコーンの哲学に引き込まれていく。
コーンはトランプに3つの黄金ルールを教え込む。
- 「常に攻撃せよ」
- 「決して非を認めるな」
- 「常に勝利を主張せよ」
これらの教えを胸に、トランプは次々と大胆な戦略を展開。**破格の資金を投じたマンハッタンの高層ビル「トランプ・タワー」**を皮切りに、彼の名はアメリカ全土に響き渡るようになる。しかし、その成功の影には、ライバルたちを蹴落とし、敵対者を容赦なく排除する冷酷な一面が育まれていく。
やがて、トランプはその影響力を**「不動産界の巨人」からさらに拡大させ、「政治の世界」**へと足を踏み入れる決意を固める。そして、その背後で常に彼を支え、時に操るような存在であったロイ・コーンは、予想もしなかった代償を払うことになる…。
この物語は、野心に満ちた若き実業家がどのようにして「アメリカの顔」となったのか、その裏に隠された闇と野望、そして師弟関係の壮絶な物語を描いている。
✍️ 私の感想
『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』は、単なる**「成功物語」というよりも、「影響力の作り方」を描いた興味深い作品でした。トランプとロイ・コーンの関係は、「権力とは何か」を問いかけるような深みがあって、単に結果を求めるだけでなく、その過程や手段に対する彼らの「冷徹さ」**が鮮明に描かれています。
セバスチャン・スタンのトランプは、**「成功に対する飽くなき欲求」を見事に体現していて、特に初期のトランプが抱く「自分を特別だと思い込む危うさ」**がリアルに伝わってきました。彼が次第にカリスマ的なリーダーに変貌していく様子は、見ていてゾクゾクするほどの説得力がありました。
また、ロイ・コーン役のジェレミー・ストロングも素晴らしく、彼が教え込む**「勝つために手段を選ばない哲学」**は、現代の政治やビジネスにおいても通用する要素が多く含まれています。コーンの存在がなければ、今のトランプは存在しなかったのではと思わせるほど、二人の関係が物語の核になっているのも印象的でした。
全体として、これは単にトランプの過去を描くだけでなく、**「どのようにして人物が伝説となるのか」を描いた作品であり、その過程に潜む「狂気と野望」を浮き彫りにしています。少し冷静な視点で観ると、トランプという存在の裏側に潜む「野心」と「計算」が見えてきて、まさに「成功とは戦略」**だと感じさせられる一本でした。
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