映画『ホテルムンバイ』レビュー
イントロダクション
2008年11月26日、インドの五つ星ホテルがテロリストに占拠されるという実際に起きた恐怖の事件を描いた映画『ホテルムンバイ』。500人の宿泊客と従業員が人質となり、特殊部隊の到着は数日後。この絶望的な状況の中、宿泊客を逃がすために自らを犠牲にするホテルの従業員たち。そして、部屋に取り残された赤ん坊を救うために命を懸ける父と母の姿が描かれます。この映画は、「誇り」と「愛」を懸けた3日間の脱出劇であり、極限の状況下で人々の絆と勇気が試されます。
ネタバレあらすじ
映画は、テロリストがムンバイ市内の複数の場所を攻撃するシーンから始まります。その中の一つがタージ・マハル・パレス・ホテルです。テロリストたちは無差別に宿泊客や従業員を襲撃し、ホテルは一瞬にして戦場と化します。
主人公の一人、アルジュン(デーヴ・パテル)はホテルの従業員で、家族のために必死に働いています。彼は他の従業員と共に、自分の命を顧みず宿泊客を安全な場所に避難させるために尽力します。宿泊客の中にはアメリカ人観光客のデヴィッド(アーミー・ハマー)と妻のザヒラ(ナザニン・ボニアディ)がおり、二人は赤ん坊と共にホテルに滞在していました。彼らもまた、絶望的な状況の中で生き延びるために奮闘します。
特に感動的なシーンは、デヴィッドが赤ん坊を救うためにテロリストがいるフロアに戻るシーンです。彼は命がけで赤ん坊を抱えて安全な場所に逃れます。最終的に、多くの人々が亡くなりながらも、一部の宿泊客と従業員が無事に脱出します。映画は、彼らの勇気と自己犠牲を称える形で幕を閉じます。
キャスト
- アルジュン役:デーヴ・パテル
- デヴィッド役:アーミー・ハマー
- ザヒラ役:ナザニン・ボニアディ
- ヘメン・オベルイ役:アヌパム・カー
- サリー役:ティルダ・コブハム=ハーヴィ
- ワシリー役:ジェイソン・アイザックス
評価
『ホテルムンバイ』は、リアリティを追求した緊迫感ある描写と、キャストの熱演が高く評価されています。特にデーヴ・パテルとアヌパム・カーの演技は称賛されており、観客に深い感動を与えます。映画の制作チームは、実際の事件を忠実に再現するために多くのリサーチを行い、その結果、非常にリアルな映像が完成しました。また、音楽や撮影技術も高い評価を受けています。
私の感想
『ホテルムンバイ』は、まるで自分がその場にいるかのような緊張感と恐怖を感じさせる映画でした。終始、手に汗握る展開に釘付けになります。特に、ホテルの従業員たちが命を懸けて宿泊客を守る姿には、本当に心を打たれました。
アルジュン役のデーヴ・パテルの演技は特筆すべきものでした。彼がホテルの廊下を駆け回り、宿泊客を避難させるシーンでは、彼の緊張と決意がひしひしと伝わってきました。彼のキャラクターは、家族のために働く普通の男でありながら、極限の状況下で真のヒーローとなる姿が描かれています。デーヴ・パテルの自然な演技が、アルジュンの人間らしさを強調していて、非常に感情移入しやすかったです。
デヴィッドとザヒラの家族のストーリーも感動的でした。特に、赤ん坊を救うためにデヴィッドが銃弾の中を行くシーンは、親としての本能と愛の力を強く感じました。私は自分が同じ立場に立ったら、同じように家族を守れるのだろうかと考えさせられました。彼らの必死の奮闘は、家族の絆と愛の深さを再確認させてくれます。
また、ホテルのマネージャーであるヘメン・オベルイ役のアヌパム・カーの演技も忘れられません。彼の冷静さとリーダーシップには、本当に感動します。危機的な状況下でも、従業員や宿泊客を守るために最善を尽くす姿は、真のリーダーシップとは何かを教えてくれました。
映画を通じて感じたのは、人間の強さと優しさです。どんなに絶望的な状況でも、人は他人を助け、守ろうとする力を持っているんだなと実感しました。また、日常の平和と安全がいかに貴重であるかを再認識しました。私たちが普段当たり前に感じていることが、実はとてもありがたいことだと感じます。
『ホテルムンバイ』を観て、私は自分の生活に対する感謝の気持ちが深まりました。前回に観た『フォール』同様に日々を平穏無事に家族と過ごせる時間が、幸せである事を再認識しました。この映画は、ただのエンターテインメントではなく、私たちに大切なことを教えてくれる作品だと思います。
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