Netflix『オーレ殺人事件』レビュー
Netflixの新作スウェーデン発クライムミステリー『オーレ殺人事件』が、2025年2月6日より配信開始されました。本作は、ヴィヴェカ・ステンの小説を原作とし、全5話で構成されています。
イントロダクション
作品情報
- 原題:Åremorden
- 製作国:スウェーデン
- 配信プラットフォーム:Netflix
- 配信開始日:2025年2月6日
- エピソード数:全5話
キャスト紹介
- ハンナ・アーランダー(演:カーラ・セーエン)
- ストックホルムの警察官。停職処分を受け、オーレでの休息を求める。
- ダニエル・リンドスコグ(演:カルド・ラザーディ)
- オーレの地元警察官。家庭問題と人手不足に悩む中、ハンナと協力して事件を捜査する。
- マリオン(演:チャーリー・グスタフソン)
- 事件の関係者であり、物語の鍵を握る人物。
- レオ(演:フランシスコ・ソブラド)
- マリオンの息子。事件に深く関与している可能性がある。
あらすじ
物語の始まりは、クリスマスシーズンのスウェーデン・オーレのスキーリゾート地。毎年恒例の「ルシア祭」が行われる夜、若い女性アマンダが突如として行方不明になります。アマンダは地域の住民たちからも親しまれる存在でしたが、警察は当初、彼女が一時的に姿を消しただけだと考えていました。しかし、時間が経っても何の連絡もないことから、事態は緊迫します。
停職中で失意の中にいた警察官ハンナ・アーランダーは、心の安定を取り戻そうと姉の所有する別荘を訪れていました。しかし、アマンダの失踪事件を耳にしたハンナは、警察官としての勘が働き、地元警察官ダニエル・リンドスコグに協力を申し出ます。ダニエルは家庭問題を抱えており、さらに警察内部は人手不足という状況。最初はハンナの介入に戸惑いを見せていたものの、次第に彼女の捜査能力に信頼を寄せるようになります。
捜査が進むにつれ、町の住人たちがそれぞれに抱える秘密が少しずつ浮かび上がります。アマンダが失踪する前にトラブルに巻き込まれていたことが判明し、彼女の親しい友人や恋人、仕事関係者から事情聴取が行われます。彼女が抱えていた問題や、町に根付く複雑な人間関係が徐々に明らかになります。
やがて、アマンダの失踪は単なる事故や偶発的な事件ではなく、ある過去の未解決事件と関連していることが浮上。過去の事件に関わったと思われる人物たちが次々と捜査線上に現れます。町全体が何か大きな真実を隠しているかのような不気味な雰囲気の中、ハンナとダニエルは、事件の背後に潜む真相を解き明かすため奮闘します。
果たしてアマンダの運命は?そして、オーレという静かな町が抱える闇とは一体何なのか?最後まで目が離せない緊迫感と、北欧ミステリー特有の静かな恐怖が視聴者を包み込みます。
私の感想
『オーレ殺人事件』を観て、まず心に残ったのは、スウェーデンの美しくも厳しい自然の風景でした。真っ白な雪に覆われたスキーリゾートの静かな町――その美しさが、事件の不穏さをより際立たせていました。寒々しい景色の中、行方不明事件が起きると、まるでその冷たい空気が視聴者にも伝わってくるかのようで、序盤から一気に物語へ引き込まれました。
主人公ハンナのキャラクターも魅力的です。仕事でもプライベートでも行き詰まりを感じていた彼女が、新たな地で再び警察官としての自分を取り戻していく姿には共感を覚えました。停職処分を受けた背景や、彼女が抱えるトラウマが物語の中で少しずつ明かされていく展開も見どころです。特に、地元警察官ダニエルとの距離感が変化していく様子がリアルで、二人の間に信頼が芽生えていくプロセスが丁寧に描かれていました。決して派手なアクションや劇的な展開があるわけではありませんが、むしろそこが北欧ミステリーらしいところ。静かに進むけれども、内側に強い緊張感が漂う感じがたまらなく心地よいです。
また、町の人々が一見普通に見えて、それぞれに何かしらの秘密を抱えているという設定がとても興味深かったです。「人は見かけによらない」とはよく言いますが、この作品ではそれが強調されていて、登場人物たちがどこか影を持っているように感じられました。特に後半、町全体に隠された過去の事件が明るみに出てからは、次に何が起こるのか予想がつかず、ハラハラしっぱなしでした。
全体を通して、派手さはないけれど、じっくりと丁寧に作り込まれた作品だと思います。映像美と緊張感のあるストーリーが見事に融合していて、ミステリー好きにはたまらない内容でした。ハンナとダニエルが最後にどんな結論を導き出すのか、ぜひ最後まで見届けてほしいです。
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