『零日攻擊/ZERO DAY ATTACK』感想レビュー|台湾有事をリアルに描く衝撃作

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Amazonプライムビデオ『零日攻擊/ZERO DAY ATTACK』レビュー

イントロダクション

『零日攻擊(ゼロニチコウゲキ)/ZERO DAY ATTACK』は、中国人民解放軍による台湾への架空の軍事侵攻を題材とした、アンソロジー形式の戦争ドラマシリーズです。各エピソードを異なる監督が手がけ、台湾社会に巻き起こる混乱とその中で揺れ動く人々の姿を描いています。


作品情報

  • 配信開始日:2025年8月15日(金)〜(第1〜3話一挙配信、その後台湾と同時配信)
  • 配信元:Amazon Prime Video(独占配信)
  • 話数:全10話構成(各話 約60分)
  • ジャンル:戦争ドラマ/政治スリラー/ヒューマンドラマ
  • 原作:オリジナル脚本(台湾公共電視・PTS企画作品)
  • 監督:洪伯豪、蘇奕瑄、趙暄、吳季恩、劉易、羅景壬、林志儒 ほか
  • 脚本統括/プロデューサー:鄭心媚(チェン・シンメイ)
  • 総制作プロデューサー:林仕肯(リン・シーケン)
  • 制作:公共電視(PTS)ほか

見逃せないヘッドライン
「台湾有事」をリアルに描く前代未聞のアンソロジー戦争ドラマ。国際的キャストが集結し、社会と個人を揺さぶる衝撃作。


キャスト紹介

  • 謝怡芬(Janet):女性総統 王明芳役
  • 杜汶澤(Chapman To):ネット配信者(実は中国共産党スパイ)役
  • 高橋一生:藤原偉役(日本から出演)
  • 連俞涵:夏宇珊役(ニュースキャスター、情報戦に巻き込まれる女性)
  • 水川あさみ:出演(中国語での演技にも挑戦)
  • その他:莊凱勛、藍葦華、チャップマン・トウ、レオン・ダイ、エイダ・パン、ホウ・イエンシー、リー・グアンイー など

日本からの出演者の高橋一生さんと水川あさみさんは、国際的な視点を加える重要な存在です。

第1話「戦争か平和か」あらすじ

物語は、台湾総統選の投票所爆破事件という衝撃のニュースで幕を開けます。民衆の混乱が冷めやらぬ中、選挙で勝利したのは女性政治家・王明芳(Janet Hsieh)。彼女は「民主の守護者」と期待されながらも、当選直後から**“憲政空白”という政治の谷間**に立たされます。

背後では、与党の古参勢力が“赤い資金”を通じて中国との繋がりを持ち、彼女に「一国二制度を受け入れよ」と圧力をかけてきます。「平和を保つために譲歩するのか、自由を守るために抗うのか」――その選択は台湾だけでなく東アジア全体の運命を揺さぶるものでした。

王は葛藤の末、対立陣営の現職総統・宋崇仁(陳文彬)と手を組むという大胆な決断を下します。しかしそれは国内の分断をさらに煽り、政界全体を揺るがす引き金となってしまいます。

同時に、彼女の護衛官・**又如(鄧九雲)**が密かに動き始めます。母親でもある彼女は、自身の子どもを人質のように扱われながらも、王から託された極秘任務を遂行する覚悟を固めていくのです。


ポイント

第1話は派手な戦闘ではなく、情報・政治・心理の三層で緊迫が立ち上がる構成。王を追い詰める“内なる敵”、超党派の水面下協調、そして密命の発動が、以降の連鎖を予感させる。

第2話「ショーザイ」あらすじ

舞台が高層の政治から、一番「影が薄い」若者へと切り替わる描写が心に刺さります。

この回の主役は、「ショーザイ」と呼ばれる20歳の若者。賃金の低さや将来への不安から、どうにかして成功したい、家族を守りたい…と必死に空を見上げる少年です。だが現実は厳しく、彼女(未婚の妊婦)を支えたいという思いがうまくいかない虚しさ。その心のすき間に忍び寄るのが、“第五縦隊”という地下組織の誘惑でした。

第1話が政治の緊張と戦争の予兆を描いていたのに対し、第2話は**“個人の生きる苦悩”と“社会のシステムの冷たさ”**に光を当てます。ショーザイは、誤った方向であっても「自分にも居場所がある」と信じたくて、地下組織に身を投じます。

そして極めつけは、命令された通りに町なかで暴力を振るう場面。しかもその相手は、妊婦さん──彼女を攻撃する瞬間のカットが映し出されると、画面越しでも胸が締めつけられます。 「自分は未来をつくっているつもりだった。でも、本当は未来を壊していたんだ」――その葛藤の瞬間が、まさにこの回の魂です。

第3話「放送中」あらすじ

大統領選の熱が冷めない台湾で、“情報の戦場”が火を噴く。
国内では大規模な**断網(インターネット遮断)**とデマが同時多発。制作現場には「視聴者は真偽より刺激を求める」と上層部が言い放ち、報道の使命感が揺さぶられる。

そんな中、中国系半導体の最大手の“関係者”が極秘に接触。テレビ局の看板アナ・夏宇珊(連俞涵)に「家電や通信機器に仕込まれた“情報吸い上げチップ”の証拠」を“生放送で暴露”したいと持ちかける。“洗産地(産地偽装)”にも触れる爆弾ネタ――放送が実現すれば、戦況すら左右しかねない。だが、“赤いネットワーク”が張り巡らされた局内で情報が漏洩、企画は妨害され、現場は完全なメディア諜報戦と化していく。

一方で、藤原偉(高橋一生)――台日ハーフのテック系プロで、夏宇珊の大学時代の恋人――が彼女を支えるべくニュースの“管制室”に合流。ふたりは再び同じフレームに立つが、企画の内偵が進むにつれ、拉致・暴行まがいの妨害まで飛び出し、逃げ場のないタイムリミット・サスペンスへ。「オンエアまで辿り着けるのか?」 ラスト、夏宇珊はカメラの正面に立ち、「戦争は、もう始まっている」と宣する

ポイント

・エピソード自体が報道の現場を舞台にした“手に汗”のスリラーへ大胆に舵切り。
断網/フェイクニュース/局内浸透が一気に噴出し、**「真実を放送する」**こと自体がミッションになる構図。

私の感想

第1話から第3話まで観て、正直…めっちゃ引き込まれました。最初は「台湾ドラマで戦争もの?リアルすぎて重いんじゃ…」と思ってたんですが、観始めたら止まらない。

第1話は、総統選の舞台裏から始まるんですけど、銃も爆撃も出ないのに背筋がゾワっとする。権力の駆け引きや「和平か自由か」という究極の選択が描かれていて、政治の空気がそのまま戦争の引き金になりそうで怖かったです。**「有事は、こんな静かな会議室から始まるのかも…」**って思わせる感じ。

第2話になると、一気に社会の底辺へ。若者が未来に絶望して地下組織に取り込まれていく流れは、本当に胸が痛かった…。彼の暴力が妊婦に向かうシーンなんて、「守るはずの命を壊す」っていう最悪の皮肉で、観ていて息が詰まりました。戦争って国と国の問題だけじゃなくて、一番弱い立場の人にしわ寄せが来るんだと突きつけられる感じでした。

第3話は舞台がニュースの現場に移って、フェイクや情報操作との戦い。真実を伝えたいアナウンサーが、局内の圧力や外部の妨害に追い詰められていく姿は、まさに現代の“情報戦”。**「視聴者は真偽より刺激を求める」**なんてセリフは、自分たちにも刺さる言葉でした。SNSやネットニュースを疑いもせずに受け取ってる自分を振り返っちゃいましたね。

3話まで観て強く思ったのは、これは**「もし台湾有事が起きたら、自分たちの日常はどう崩れるのか」**を疑似体験させる作品だってこと。政治家の判断、若者の絶望、メディアの混乱――その全部が有事の現実に直結している。しかもそれが“遠い国の話”じゃなくて、日本も絶対に無関係じゃない。高橋一生さんや水川あさみさんが出演してるのも、その視点を強く感じさせてくれました。

正直、エンタメとして面白いのはもちろんだけど、観ながらちょっと背筋が寒くなる…そんなドラマ。
今後、中国側の動きや国内の分断がどう描かれるか…緊張感MAXで追いかけたい作品です。

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